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【土壌別経営診断うちの土ではどう作る?】
愛知県田原町・安田和司さんの場合
- 農業コンサルタント 関祐二
- 第36回 1999年12月01日
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関祐二: 植物ホルモンというのは、学者に聞けば色々理屈をつけてくるでしょうが、基本的な解明は実際使って確かめるしか手段はないと思います。最終的には使った人の経験から職人的に判定されていくのでしょう。安田さんの使われているマキシ・クロップ(以後マキシ)を私もお茶で試して効果があったのですが、安田さんがマキシを使い始めたきっかけはどのようなことだったのでしょうか。
安田和司: 知り合いの資材メーカーの人から勧められて、5年前に使ったのが最初です。それまでメロンの苗の活着が悪かったり、根張りが浅かったりで夏バテ気味だったのですが、定植時にマキシを葉面散布したところ、目に見えて良くなり、それ以来継続して使用しています。
関: 幼苗期に効果があるということですね。それ以外ではどうですか。
安田: 収穫の25~50日前に原液を1500倍に希釈して動噴で葉面散布しています。効果の第一は何といっても糖度の向上です。私はお客様に直接宅配していますので、まずいものを送るとすぐにクレームとなって返ってくるのです。
関: 病害虫に対する効果はどうでしょうか。例えば私のお茶の場合はアカダニがかなり抑えられました。これも学術的には説明しにくいのですが相関関係があるようなのです。
安田: 葉が堅くなるので、うどんこ病などにも効果がありますね。濃い農薬を一度に散布した方が確かに効果は上がるのですが、葉の裏など農薬のかからない部分で難を逃れる虫が必ず出てきたり、抵抗性を持った子孫が発生しやすくなったりと良くないのです。
関: 防除の手段として化学農薬は勿論必要ですが、化学農薬以外の手段も考慮すべきですね。この場合は虫を殺すのではなく、栄養的なバランスを崩すことにより減らすということなのだと思います。生態系のバランスを保つため、虫は特別な植物がはびこらないようにする役目を負っています。農業という営みは自然の中で異常なことをしているわけで、虫は農作物を特別な植物と認識する、これが害虫の多発生を招いています。マキシは海藻から抽出された、生態系の中でのバランスの元ともいえる、生命体にとって価値の高い、数多くのミネラル、微量要素等の成分を由来としています。それを適正な濃度で農作物に使用することにより、虫が生態系のバランスを崩す特別な植物だと認識しなくなる、学術的な結論もおそらくはそんなところに行き着くのではないでしょうか。
安田: 作物自体の抵抗性で言うと、ご存じのようにメロンは湿度、温度等の諸条件に過敏に反応するため、長雨が続くと整枝等の管理作業が例えハウスの中でも難しくなりますが、マキシを使うことでそうした作業への抵抗性もつき、痛みにくくなります。管理作業の段取りが天候に左右されないことは非常に大きい。それと、宅配をやっていると固めのメロンを好む人がいる一方で、柔らかくなければ駄目な人もいたりと収穫・出荷のタイミングが問題になります。マキシを使うと実がしまり、ゆっくり熟成するので日持ちがよく、お客様の要望に合わせた出荷ができるようになりました。
安田和司: 知り合いの資材メーカーの人から勧められて、5年前に使ったのが最初です。それまでメロンの苗の活着が悪かったり、根張りが浅かったりで夏バテ気味だったのですが、定植時にマキシを葉面散布したところ、目に見えて良くなり、それ以来継続して使用しています。
関: 幼苗期に効果があるということですね。それ以外ではどうですか。
安田: 収穫の25~50日前に原液を1500倍に希釈して動噴で葉面散布しています。効果の第一は何といっても糖度の向上です。私はお客様に直接宅配していますので、まずいものを送るとすぐにクレームとなって返ってくるのです。
関: 病害虫に対する効果はどうでしょうか。例えば私のお茶の場合はアカダニがかなり抑えられました。これも学術的には説明しにくいのですが相関関係があるようなのです。
安田: 葉が堅くなるので、うどんこ病などにも効果がありますね。濃い農薬を一度に散布した方が確かに効果は上がるのですが、葉の裏など農薬のかからない部分で難を逃れる虫が必ず出てきたり、抵抗性を持った子孫が発生しやすくなったりと良くないのです。
関: 防除の手段として化学農薬は勿論必要ですが、化学農薬以外の手段も考慮すべきですね。この場合は虫を殺すのではなく、栄養的なバランスを崩すことにより減らすということなのだと思います。生態系のバランスを保つため、虫は特別な植物がはびこらないようにする役目を負っています。農業という営みは自然の中で異常なことをしているわけで、虫は農作物を特別な植物と認識する、これが害虫の多発生を招いています。マキシは海藻から抽出された、生態系の中でのバランスの元ともいえる、生命体にとって価値の高い、数多くのミネラル、微量要素等の成分を由来としています。それを適正な濃度で農作物に使用することにより、虫が生態系のバランスを崩す特別な植物だと認識しなくなる、学術的な結論もおそらくはそんなところに行き着くのではないでしょうか。
安田: 作物自体の抵抗性で言うと、ご存じのようにメロンは湿度、温度等の諸条件に過敏に反応するため、長雨が続くと整枝等の管理作業が例えハウスの中でも難しくなりますが、マキシを使うことでそうした作業への抵抗性もつき、痛みにくくなります。管理作業の段取りが天候に左右されないことは非常に大きい。それと、宅配をやっていると固めのメロンを好む人がいる一方で、柔らかくなければ駄目な人もいたりと収穫・出荷のタイミングが問題になります。マキシを使うと実がしまり、ゆっくり熟成するので日持ちがよく、お客様の要望に合わせた出荷ができるようになりました。
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関祐二 セキユウジ
農業コンサルタント
1953年静岡県生まれ。東京農業大学において実践的な土壌学にふれる。75年より農業を営む。営農を続ける中、実際の農業の現場において土壌・肥料の知識がいかに不足しているかを知り、民間にも実践的な農業技術を伝播すべく、84年より土壌・肥料を中心とした農業コンサルタントを始める。 〒421-0411静岡県牧之原市坂口92 電話番号0548-29-0215
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