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荷車の歌
女流農民作家山代巴の小説を原作にした作品。明治27年の日清戦争の勃発から昭和20年の敗戦までの時代を、広島県三次の農村を舞台に1人の女性の生き様を通して描いている。荷車引きの夫婦の妻を演じた望月優子は、「米」(1957年東映作品、2000年2月号本欄参照) やこの作品で、貧しい庶民の母親役を演じたら第一人者という定評を得て、「日本のお母さん女優」と呼ばれるようになった。一方、夫役の三国連太郎も、人間の持つ善悪の2面性を見事に演じ分けている。監督の山本薩夫は、他の作品に見られるような左翼系のイデオロギー色を控え、農村の四季の変化などをとらえながら、女の一生を淡々と描いた。なお、この映画の製作にあたっては、農協婦人部の10円カンパにより資金がまかなわれ、独立プロの作品の自主上映運動の先駆ともなった。
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