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特集

息子よ!後継者は君じゃなくてもよいのだ

「わが国の農業労働力は減少と高齢化が進行することにより、農業の体質は弱体化」している、というのが農業関係者の農業就業人口の減少に対する見方である。しかし、本当にそうなのだろうか。
 「わが国の農業労働力は減少と高齢化が進行することにより、農業の体質は弱体化」している、というのが農業関係者の農業就業人口の減少に対する見方である。しかし、本当にそうなのだろうか。

 わが国の農業に今求められているのは、単に農業に従事する労働力としての人数ではない。大小にかかわらず農業を責任ある事業として展開していける経営者の数こそが問題なのだ。そして次世代の後継者たちに求められることは、資産の継承ではなく、農業経営者としての未来を創造することである。


座談会 経営の後継者たちが受け継ぐべきものと未来へ切り開くもの

【出席者】
木内 博一さん(農事組合法人和郷園代表 32歳)
小野寺俊幸さん(北海道常呂郡常呂町 47歳)
横森 正樹さん(長野県南佐久郡八千穂村 58歳)
昆 吉則 (司会 「農業経営者」編集長)



昆吉則(「農業経営者」編集長):この度、2000年という節目の年の新年号として、次の時代の農業経営を担っていく後継者の人たちに求められるものは何なのかということについて、座談会という形式で皆さんにお話しいただきたいと思います。今回はあえて、「息子よ!後継者は君じゃなくてもよいのだ」と題しました。もちろん、後継者は息子さんであってもいいですし、農家の子供として育ったからこそ知り得ているということもたくさんあると思います。経営者にとって最後の一番大事な仕事は、後継者を育てることだとも言われます。しかし、農業の世界では、多くの場合、経営を受け継ぐというより、資産を継承するという感覚が強いのが現状であると思いますが、それも近年、行き詰まりを見せています。そこで、「経営の後継者とはどういうことなのか」、「その後継者の資質とは何なのか」について話してみようと考えたわけです。

 まずは、口火を切って頂く意味で、これからの若い後継者が育っていくことになる村、農協、共同体というものを、いちばん若い世代の木内さんから見た感想を聞かせて下さい。


地域の違いと後継者たちに求められる姿


木内博一(千葉県山田町):私たちの親父の世代は、ちょうど高度経済成長期に農業が量産型の生産体系に向かって発展を遂げていた時期です。当時の農村地帯は、隣りもその隣りも農家という状況で、5歳10歳の年齢差があったとしても、皆の価値観がだいたい似ていた。そういった時代では農協が有効に機能したと思います。ところがここへ来て、農協組織そのものがかなり厳しくなってきている。その原因の一つとして後継者問題があります。つまり、例えばうちの親父の場合は私が後継者として入りましたので、農業経営の在り方はむしろ発展的です。21世紀をどのように競争し、どのように経営を展開していくかといったことに対して発展的なのです。ですので、先への投資を考えます。ところが後継者が生まれなかった、後継者になると思っていた息子がサラリーマンになってしまった人たちの場合、もう投資はしたくはないが、有利に販売しながら収入は多くしたいと考えている。つまり、後継者がいる農家と後継者がいない農家が同じ組織の中で意見を述べ合った時、相反するものが出るのです。今の農協組織の苦しさは、そこに原因があるんじゃないかと思っております。ところが、我々の「和郷園」は次の30年40年農業をやっていくことが前提のメンバーばかりですから、スタートラインが違うと思うのです。今、農業の世界では我々のような組織が生まれつつあると思います。

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