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特集

息子よ!後継者は君じゃなくてもよいのだ

 現在は流通卸を通さずに直販していますが、消費者の要望にきめ細かく応えようと考えた場合、限界があるとも感じています。これからは法人を核として、流通業の方々とも手を携え、農産物のコンセプトを前面に出した企画売り等にも取り組んでいきたいと思っています。


(有)板倉農産 阿部善文さん(33歳)

〒987-0402 宮城県登米郡南方町後屋敷待井11
TEL.0220(58)4205
水稲8.9ヘクタール、作業受託8.9ヘクタール


【トラクタの購入を機に就農いつか父の背中を越えてやる】

 私が子供の頃は、友達と遊びたいのに日曜日の朝早くから農作業を手伝わされたりして、サラリーマンの家庭が羨ましく思え、農業に対してあまりいい思いを持っていませんでした。そんなこともあって高校を卒業後、自動車整備工場に一年間勤め、その後は10tダンプの運転手をしていました。

 しかし、他人に使われ、気を使う生活が嫌になっていたある日、雨で仕事が中止になり、父に誘われて行ったJA主催の農機展示会で、現在の「相棒」であるヤンマーAF720との運命的な出会いがありました。冗談半分で父に購入をせがんだところ、本気で商談を始めたのには驚かされました。自分も結婚して家庭を持って初めて親のありがたみが分かってきた時期でもあり、両親に少しでも楽をさせてやりたい思いがあったので、このトラクタの購入を機に就農を決意しました。

 就農して2年が経ちましたが、まだまだ毎日が勉強だと感じています。AF720はキャビン付きなので、夜でも作業が出来るという利点があり、作業ピーク時には昼に民家の近くを耕し、夜は気を使うことのない人里離れた耕地で作業するといった使い分けができます。そういった忙しさが今は楽しみでもあります。

 父と私は、性格も考え方も正反対で、顔を合わせるとああでもない、こうでもないと言い合いばかりですが、最近独力で取り組み始めた2反のソラマメの作業を母と共に手伝ってくれたり、まあ楽しくやっています。父は50代でまだまだ現役ですし、私は父から給料を貰っている身ですので、自分の時代が来るのはまだ先かも知れませんが、父も若い頃は私と同じような道を歩んできており、いつかはその背中を乗り越えてやろうと思っています。

 将来は水稲を今の6町歩から15町歩程度に拡大したいと思っています。そのためにもトラクタの受託作業等も積極的に請け負っていきたい。そしてゆくゆくは自分の子供と一緒に出来たらいいなとも思っています。

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