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農薬に対する誤解と偏見
本誌では、「無農薬=安全」を強弁するのではなく、農業生産技術の情報を消費者に開示していくことで消費者の信頼を得ていこうと一貫して主張しているが、消費者が持つ農業技術に対する漠然とした、そして時には非科学的な不安は、いまだに根強いものがあり、その理解を得るのは容易なことではない。農業試験場の予察員や植物防疫課長を務めてきた筆者は、30年以上も前から全国各地の消費者団体や市民グループに招かれ議論することで、消費者の農薬に対する誤った認識をただすために活動してきた。本書では、その経験をもとに、世間一般の農業に対する偏見の具体的事例(日本の単位面積あたりの農薬使用量は欧米諸国の7倍、トキが絶滅したのは農薬によるもの、餌付けのサルの奇形発生は農薬によるもの等々)を挙げながら、その本当の姿をわかりやすく解説している。
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