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BOOK REVIEW

家畜のお灸と民間療法―クスリに頼らず経営改善

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著者:保坂虎重/森泰良/白水完児/石野孝
井手康夫/宇津田嘉弘/田平喜作郎
定価:1,890円
 出版社:農山漁村文化協会


家畜のお灸と民間療法

もうすでに怪しげな目でみられるだけのものではなくなった今、東洋医学は家畜医療にも広がりつつある。酪農の現場では20年ほど前から動物医薬品の規制が厳しくなり、例えば乳房炎については抗生物質による治療一色になっている。それであれば当然抵抗をもつものが現れ、いたちごっことなる。繁殖障害だったらホルモン剤の投与だ。これも多用すると体内にホルモンに対する抗体ができたり、増血機能に害を与える。治療法がマニュアル化されているということは、一本の基準線を引くようなことであり、ものの見方を固定してしまうことである。複雑系などといって、解らないものに名前を付け、理屈をこねるのは楽しくもあるがそこから先へ踏み出すのには力が必要となる。様々な可能性を検証していくのは面倒な事だ。この本では、東洋医学もぐさの作り方から民間療法までを紹介している。ウシに灸をすえると暴れ出して止まらないような気がするのだが、けしてそんな事はないという。ウシに灸とは人間にとっての温泉に似た作用をするので、暴れることはないどころか、糞と尿とヨダレをしきりに垂れ流すというのだ。ちょっと気味悪いが、かなり気持ちいいのではないか。しかし人目もはばからずに気持ちよがれる、というか気持ちよくなってしまうのはうらやましくもまた悲しいことであるなあ、と思うのは人間のエゴか。


保坂虎重/森泰良/石野孝/井手康夫/白水完児/宇津田嘉弘/田平喜作郎
農山漁村文化協会
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