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BOOK REVIEW

辞めてよかった!―「脱・会社」の決断学

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著者:江波戸哲夫
定価:971円(本体)
 出版社:日本経済新聞社


辞めてよかった!

飲み屋でのグチといえば仕事のことかカミさんのことと相場は決まっている(たぶん)。心から満足し、毎日充実感一杯で仕事に邁進している人は、そうはいるものではないだろう。考えてみればこれは仕事に限ったことではない。グチをこぼし続けずにはいられない私たちは、変化の乏しい日常に退屈し、自分自身に飽きながらも、そこから簡単には抜け出せないことは充分承知している。ちょっとグチッてみることが、せめてもの抵抗。こうした気晴らしをつないでいけば、なんとか暮らしていけるもんだ――。といったことでは飽き足らなかった人々が登場するこの本。書名のとおり転職・独立経験者の体験談が紹介されているわけだが、そこから醸し出されるメッセージは、人生への構え方そのものである。変わりたければ手っ取り早いのは辞めること。そう勧める筆者の声は、とっても甘美な悪魔のささやきにも聞こえるが、一方でこんな事も言う。「これも人生、あれも人生。どの選択肢を選んでもそれなりに面白い日々が待っているだろう」つまり逆に言えば、どこにいようとそこでの面白さを見つけ、没頭できるくらいでなければ、無闇に道を変えてもまたグチるばかりの生活に舞い戻るだけ、ということなのではないか。本書の登場人物も、苦労を苦労とも思わず、手を抜かないで面白がって生きている人達ばかりだ。


江波戸 哲夫
日本経済新聞社
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