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リトル・トリー
1930年代、経済大恐慌下の中、北米南東部の美しい自然の中でチェロキー族父母の愛情に包まれて「インディアンの生き方」を学んでゆく少年リトル・トリーの物語である。この物語は単純だが深い。自然の材料でできていて、言葉ではなく、風や水音、森のざわめきのようであり、そのデザインはシンプルで力強い。インディアン少年の鋭いインスピレーションは、機械化と物質主義に押しつぶされてしまった現代人に反省をうながすと同時に、環境・家族の絆・人種差別・人間関係などにとても深い関心をよせている。生きるということの本当の意味、自然と人間の共生と共死に円環を表している。この本の初版は、1976年に刊行された。その時「リトル・トリー」は、広く書評に取り上げられ賞賛を浴びた。やがて、数多くの愛読者を獲得しはじめ、図書館ではこの本がいつも姿を消した。本書は、きわめて正確なアメリカ先住民の記録であり、いつの時代もさまざまな世代の人々によって、繰り返し読みつがれてゆく「ハックルベリー・フィンの冒険」と肩をならべられる本である。本書は、出版後まもなく絶版となった。そして、入手が困難になり1986年に復刊されるや売り上げ部数を伸ばしていった。今、世の中に求められている様々なこと、そんなことをじっくり考える時間を持つことができる作品である。
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