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あんちゃんのたんぼ
「あんちゃん」には、かわいい弟とやさしいお母さんがいて、多分お父さんがいない。「あんちゃん」は、修学旅行に行くために必要なお金を作るために、おじさんの何年も使われていない田んぼを借りる。その田んぼは沼っぷちにあり、あぜを高くしないといつ沼に沈んでしまうか分からない、やっかいな代物だった。この童話の主人公は、「あんちゃん」を慕う弟の「ぼく」だ。「ぼく」は、なんとかして「あんちゃん」を修学旅行に行けるようにしてあげたい。それで「あんちゃん」の田んぼの手伝いをするのだが…。この童話は男二人の兄弟で育った人なら、簡単に自分の昔のことを思い出すでしょう。そうでない人も、簡単に、二人の兄弟の間にある空気を感じとることができるでしょう。私には、「沼っぷちの田んぼ」に象徴されているような昔風の情景とは別に、昔風の人情が感じられました。それを「昔風」と感じてしまうのは、私だけなのかどうかは分かりませんが、文中から感じとれた空気が、今問題視されている「いじめ」の背景にある様な空気とは異質なものであるとは思います。「田んぼ」が間接照明的に、いい演出効果をもたらしているのですが、やはり、人間は自然と対峙するときに、簡単に素直になれるのでしょう。まとめると、自然を舞台にした「いい兄貴」と「かわいい弟」の話ということなのです。
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