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農協大破産
農協ウオッチャーの第一人者が放った、農協金融の実相をえぐった快著。4年前の「農協が破産する日」の続編である。発売2ヶ月で実売3万部を突破した。ベストセラーといってよい。この種のビジネス書では珍しい売れ行きである。全国各地で起きた乱脈融資の実態、農協の住専負担が5300億円に決まった謎、農協改革を見送ってきた農水省の責任など、現場取材を通じた事例には実に説得力があり、農協ウオッチャーの第一人者の面目躍如たるところがある。とくに住専問題を契機に広く知れ渡るようになった農協系金融機関の問題点ポイントごとに指摘。農協が金融機関でありながら基本的な資金運用力に欠けていることなど、わかりやすく解説している。また、住専問題では国会でも議論になった政府の不透明行政にスポットをあてた。住専以外にも、農協の問題融資の実態、農協貯金流出の動き、責任感欠如の幹部など、農協組織に迫る危機を指摘している。そのリアルなリポートは、表題の「大破産」も決して過剰表現ではないように思わせる。農協と政治の関係にも触れており、農協問題では自民党から共産党まで農協サイドにたつのはなぜか、という誰しも抱く疑問に丁寧に答えている。筆者は、農協トップに経営者としての自覚、自己責任を貫徹する経営風土がなければ21世紀には農協は社会の粗大ゴミになると警告している。
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