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BOOK REVIEW

ウルグアイラウンドなどに負けてたまるか―田舎館村からの挑戦

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著者:工藤司
定価:1,529円
 出版社:同成社


ウルグアイラウンドなどに負けてたまるか

著者は、本著の前文の最後に「われわれ日本人は優れた民族である。だが、最近のさまざまの出来事を通じての狼狽振りは何というざまだ。わたしは敢えて青森県南津軽郡田舎館村という日本一の自称『田舎』から『世界一安くてうまい米作り』を通じて、民族の自信復活を訴えたい』と記している。平成4年、著者は「いながのまんま」というブランドのコメをはじめ各種農産物や加工品を販売する田舎館生産者協会を10人の生産者と組織する。さらに役人の抵抗を受けながら1区画3haの揚排水自在のスーパー水田を8人の地権者で造成し、そこに技術指導者たちの反対を尻目に直播栽培を試みる。そのことを通して著者は、「何か、ずっと向こうが見えてくるような気がしました。だれも恨むわけにはいかない。私たち自身が変わらなければならない」と書く。自主自立の精神と経営力によって切り開く未来を目指す農業経営者たちにとっては、うなずかされ、勇気を与えられることの多い本である。同時に著者は、行政の協力を得られないまま自力でスーパー水田を整備した体験を通して、その範とした千葉印旛沼の兼坂祐氏の実践について、地域事情によっては兼坂氏がいうような経費では実現できないと指摘する。同時に著者の批判に対する兼坂氏自身の反論も掲載されており、スーパー水田を検討している人々にとっては参考になると思う。


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