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農業そしてわが国の形が第何回目かの開国の時代を迎えつつある中で、農業の世界にも新しい時代新しい世界で、たくましくそして伸びやかに、日本農業を担うにふさわしい歴史を受け継ぎ、新しい時代を作る世代が育ってきている。
もし、お手元に本誌が隔月刊だった頃の21号をお持ちの方がいるなら、その号の本欄を読み返していただけないだろうか。そこで、こう書いた。
たぶん歴史とは、ピサの斜塔のように傾いた螺旋階段を上っていく形の循環なのであり、それはやがて重力で転倒する。それが歴史の転換点なのである。そして、その傾いた螺旋階段の転倒とは新しい時代の始まりなのであり、その時から次の螺旋階段は始まるのだと。そして、人はやがて転倒する螺旋階段を後戻りすることを許されずに押し合い圧し合いしながら上っていき、ある者はその途中で足を踏み外し転落していく。しかも、その階段はあらかじめに構築されているものではなく、人が何もない中空に足を踏み出すことで新たな階段の一段ができていく。足を踏み出せない者に次ぎの一段は無いのだ。
僕が最近出会う若い農業経営者たちは、次ぎの一段も、階段が次ぎに転倒する方向も明瞭に見えつつ自信を持って足早に次々と足を踏み出しているように思える。彼らは「食べる人」のためにこそ農業に取り組む者たちであり、彼らに見えているのは「お天道様」と「お客様」なのだと思う。
そして、そんな若い人々に言っておきたい。君たちに改革の担い手としてのバトンを手渡すためにこそ、時代を切り開いてきたたくさんの無名の人々がいたことを忘れるべきではない、と。
もし、お手元に本誌が隔月刊だった頃の21号をお持ちの方がいるなら、その号の本欄を読み返していただけないだろうか。そこで、こう書いた。
たぶん歴史とは、ピサの斜塔のように傾いた螺旋階段を上っていく形の循環なのであり、それはやがて重力で転倒する。それが歴史の転換点なのである。そして、その傾いた螺旋階段の転倒とは新しい時代の始まりなのであり、その時から次の螺旋階段は始まるのだと。そして、人はやがて転倒する螺旋階段を後戻りすることを許されずに押し合い圧し合いしながら上っていき、ある者はその途中で足を踏み外し転落していく。しかも、その階段はあらかじめに構築されているものではなく、人が何もない中空に足を踏み出すことで新たな階段の一段ができていく。足を踏み出せない者に次ぎの一段は無いのだ。
僕が最近出会う若い農業経営者たちは、次ぎの一段も、階段が次ぎに転倒する方向も明瞭に見えつつ自信を持って足早に次々と足を踏み出しているように思える。彼らは「食べる人」のためにこそ農業に取り組む者たちであり、彼らに見えているのは「お天道様」と「お客様」なのだと思う。
そして、そんな若い人々に言っておきたい。君たちに改革の担い手としてのバトンを手渡すためにこそ、時代を切り開いてきたたくさんの無名の人々がいたことを忘れるべきではない、と。
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昆吉則 コンキチノリ
『農業経営者』編集長
農業技術通信社 代表取締役社長
1949年神奈川県生まれ。1984年農業全般をテーマとする編集プロダクション「農業技術通信社」を創業。1993年『農業経営者』創刊。「農業は食べる人のためにある」という理念のもと、農産物のエンドユーザー=消費者のためになる農業技術・商品・経営の情報を発信している。2006年より内閣府規制改革会議農業専門委員。
江刺の稲
「江刺の稲」とは、用排水路に手刺しされ、そのまま育った稲。全く管理されていないこの稲が、手をかけて育てた畦の内側の稲より立派な成長を見せている。「江刺の稲」の存在は、我々に何を教えるのか。土と自然の不思議から農業と経営の可能性を考えたい。
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