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BOOK REVIEW

家畜の歴史

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著者:F.E.ゾイナー
翻訳:国分直一・木村伸義
定価:6,090円
 出版社:法政大学出版局


家畜の歴史

著者は「第一部 家畜化の起源と進化」の中で、自身を「歴史的生物学(古生物学)の背景と環境の変化の研究から考古学へ入っていったもの」と定義した上で、家畜の歴史についてのスタンスを記している。「動物の家畜化を他の人間活動同様、つまり入念な環境の開発の過程と同じように考える」のではなく「このような多くの過程の始まりは、意図されたものでも意識されたものでもない」。また「動物の家畜化は人間がその一部をなしている動物の社会的関係に由来している」とも述べている。

家畜化の歴史は、そこにどのように人間が介在していようとも、種の変遷であることに変わりはない。そこに自然の法則が作用していることは誰も否定すまい。ただし人間は時として、自らの日々の営みや、地球まで含めたあらゆる生命体に対する種々の働きかけを、自然法則外の所作であると勘違いしてしまいがちである。人間は地球という生命体の構成物の一つであるし、紛う方なき動物である。

「第二部 家畜」において、それぞれの家畜を、家畜化された段階、時期、用途、地域などで分類し論述している。

大著なので、その分厚さをみただけで、敬遠してしまうが、体系を論じた第一部だけでも読まれることを勧める。(A)


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