記事閲覧
【江刺の稲】
創刊50号、ありがとうございます
- 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
- 第49回 2000年03月01日
- この記事をPDFで読む
本誌は3月号をもって通刊50号を数えた。季刊で始まった本誌の創刊は平成5年(1993年)の5月だから、もうすぐ7年である。薄っぺらな雑誌をたったの50冊発行したに過ぎない。これだけの仕事しかしていないという思いがある反面で、我ながらよく続けてこれたものだなという感もある。それが可能であったのは、読者をはじめ広告主や株主の皆様、見合わぬ仕事で共に苦労をしてきた執筆者や社内外のスタッフの人々、有形無形のご支援をいただいた沢山の方々のお陰であると考えている。あらためて御礼を申し上げる。
あたりまえの常識から考えて予想が立った農業と、その関連業界の破綻。何度も書いてきた、わが国の農業界にも「ベルリンの壁」の崩壊が起きるという確信があっての創刊だった。
あの冷害の年だった。『日本農業を守ろう』という美しい言葉で米の自由化反対を声高に叫んでいた農業界や政治家、あるいは一部の市民運動家たち。彼らの発言は、真に「農業問題」を語るものではなく、本来問われるべき僕自身を含めた「農業関係者のリストラ」や農業での「構造改革」を先延ばしにし、自らの居場所作りや問題の所在を曖昧にするための議論のスリカエでしかないと僕には思えた。
あたりまえの常識から考えて予想が立った農業と、その関連業界の破綻。何度も書いてきた、わが国の農業界にも「ベルリンの壁」の崩壊が起きるという確信があっての創刊だった。
あの冷害の年だった。『日本農業を守ろう』という美しい言葉で米の自由化反対を声高に叫んでいた農業界や政治家、あるいは一部の市民運動家たち。彼らの発言は、真に「農業問題」を語るものではなく、本来問われるべき僕自身を含めた「農業関係者のリストラ」や農業での「構造改革」を先延ばしにし、自らの居場所作りや問題の所在を曖昧にするための議論のスリカエでしかないと僕には思えた。
会員の方はここからログイン
昆吉則 コンキチノリ
『農業経営者』編集長
農業技術通信社 代表取締役社長
1949年神奈川県生まれ。1984年農業全般をテーマとする編集プロダクション「農業技術通信社」を創業。1993年『農業経営者』創刊。「農業は食べる人のためにある」という理念のもと、農産物のエンドユーザー=消費者のためになる農業技術・商品・経営の情報を発信している。2006年より内閣府規制改革会議農業専門委員。
江刺の稲
「江刺の稲」とは、用排水路に手刺しされ、そのまま育った稲。全く管理されていないこの稲が、手をかけて育てた畦の内側の稲より立派な成長を見せている。「江刺の稲」の存在は、我々に何を教えるのか。土と自然の不思議から農業と経営の可能性を考えたい。
ランキング
WHAT'S NEW
- 有料会員申し込み受付終了のお知らせ
- (2024/03/05)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2023/07/26)
- 年末年始休業のお知らせ
- (2022/12/23)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2022/07/28)
- 夏期休業期間のお知らせ
- (2021/08/10)