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土壌別経営診断うちの土ではどう作る?

茨城県石岡市・野口和茂さんの場合

食べ物を作るだけでなく、現代社会は農業に様々な役割を求めている。そのうちの一つ花卉園芸では、変わりゆく顧客のニーズに合わせた品種の選定、栽培技術の更新、営業センスが求められる。養液栽培、土耕栽培を品種に応じて使い分け、高度な栽培技術と経営センスを駆使してバラを栽培する茨城県石岡市・野口和茂さんの場合
関 野口さんはバラの栽培を、土耕、養液の双方でやっておられるわけですが、それぞれどれくらいの坪数で。

野口 土耕は300坪、養液が600坪です。

関 養液は最初からその坪数で。

野口 いえ。最初は皆土耕から始まりました。昭和60年にバラを土耕で始めました。その時から何ベットか養液での試験栽培をやり、平成5年にまず300坪、翌年にもう300坪と養液に切り替えていったのです。一度に養液に切り替えなかったのは、品種と養液との相性の問題があったからです。バラにはその良さを土耕で引き出せる品種、養液で引き出せる品種があります。もちろん、相性がよくても実際に売れるかという点でも品種を選ばないといけません。それを自分なりに作るまでに準備期間が必要でした。

関 私は常々、養液栽培においても土耕の考え方が利用できるし、また逆に、土耕においても養液栽培の考え方が利用できると考えているのですが、野口さんはその両方をやっておられるだけに、両方の特性が分かられているのではないでしょうか。

野口 そうですね。「土」も「ロックウール」も「培地」という点では同じですからね。

関 養液栽培の培地はロックウール一本で?

野口 いえ。籾殻くん炭やベラボンも使っていますが、収量・品質等で大きな差は出ていません。

関 施肥において最も注意されている点は。

野口 まず、漠然と栽培するのではなく、きちんとデータを取ること。農業普及センターに養液を2ヶ月に一度見てもらっています。私は単肥を使用していますが、このバラにはここが一番よいというところを見つけるために、肥料の処方も一つの品種につき10通りほどは試しました。それらから得た結論は、土耕も養液も同じですが、培地内のpHをいかに理想的なところに落ち着かせるかというところにつきるようです。はじめは、100tの水槽を作り雨水100%でやりましたが、pHが3近くになってしまいました。これではロックウールが溶け、マットが潰れて気層もなくなり、万年加湿になってしまいます。そこで雨水の割合を段々と減らして、今は地下水を7、雨水を3位の割合にしています。このくらいのブレンドで約5~5.5のpHが保てるようになりました。雨水にはNOxや塵、ホコリがあるので、浄化槽を作り、また地下水には濾過漕を設けてバクテリアを発生させ、鉄分を減少させています。ただ濾過層は地上に出ていますので、冬場だと水温が下がってしまいますから、濾過した水を一端タンクに溜めて、それをボイラーで22℃まで加温するのです。培地をベッド暖房をして、なおかつ、給液も暖めていますから、他の人に比べると花の動きがいいですね。

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