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【土壌別経営診断うちの土ではどう作る?】
茨城県石岡市・野口和茂さんの場合
- 農業コンサルタント 関祐二
- 第39回 2000年03月01日
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関 野口さんはバラの栽培を、土耕、養液の双方でやっておられるわけですが、それぞれどれくらいの坪数で。
野口 土耕は300坪、養液が600坪です。
関 養液は最初からその坪数で。
野口 いえ。最初は皆土耕から始まりました。昭和60年にバラを土耕で始めました。その時から何ベットか養液での試験栽培をやり、平成5年にまず300坪、翌年にもう300坪と養液に切り替えていったのです。一度に養液に切り替えなかったのは、品種と養液との相性の問題があったからです。バラにはその良さを土耕で引き出せる品種、養液で引き出せる品種があります。もちろん、相性がよくても実際に売れるかという点でも品種を選ばないといけません。それを自分なりに作るまでに準備期間が必要でした。
関 私は常々、養液栽培においても土耕の考え方が利用できるし、また逆に、土耕においても養液栽培の考え方が利用できると考えているのですが、野口さんはその両方をやっておられるだけに、両方の特性が分かられているのではないでしょうか。
野口 そうですね。「土」も「ロックウール」も「培地」という点では同じですからね。
関 養液栽培の培地はロックウール一本で?
野口 いえ。籾殻くん炭やベラボンも使っていますが、収量・品質等で大きな差は出ていません。
関 施肥において最も注意されている点は。
野口 まず、漠然と栽培するのではなく、きちんとデータを取ること。農業普及センターに養液を2ヶ月に一度見てもらっています。私は単肥を使用していますが、このバラにはここが一番よいというところを見つけるために、肥料の処方も一つの品種につき10通りほどは試しました。それらから得た結論は、土耕も養液も同じですが、培地内のpHをいかに理想的なところに落ち着かせるかというところにつきるようです。はじめは、100tの水槽を作り雨水100%でやりましたが、pHが3近くになってしまいました。これではロックウールが溶け、マットが潰れて気層もなくなり、万年加湿になってしまいます。そこで雨水の割合を段々と減らして、今は地下水を7、雨水を3位の割合にしています。このくらいのブレンドで約5~5.5のpHが保てるようになりました。雨水にはNOxや塵、ホコリがあるので、浄化槽を作り、また地下水には濾過漕を設けてバクテリアを発生させ、鉄分を減少させています。ただ濾過層は地上に出ていますので、冬場だと水温が下がってしまいますから、濾過した水を一端タンクに溜めて、それをボイラーで22℃まで加温するのです。培地をベッド暖房をして、なおかつ、給液も暖めていますから、他の人に比べると花の動きがいいですね。
野口 土耕は300坪、養液が600坪です。
関 養液は最初からその坪数で。
野口 いえ。最初は皆土耕から始まりました。昭和60年にバラを土耕で始めました。その時から何ベットか養液での試験栽培をやり、平成5年にまず300坪、翌年にもう300坪と養液に切り替えていったのです。一度に養液に切り替えなかったのは、品種と養液との相性の問題があったからです。バラにはその良さを土耕で引き出せる品種、養液で引き出せる品種があります。もちろん、相性がよくても実際に売れるかという点でも品種を選ばないといけません。それを自分なりに作るまでに準備期間が必要でした。
関 私は常々、養液栽培においても土耕の考え方が利用できるし、また逆に、土耕においても養液栽培の考え方が利用できると考えているのですが、野口さんはその両方をやっておられるだけに、両方の特性が分かられているのではないでしょうか。
野口 そうですね。「土」も「ロックウール」も「培地」という点では同じですからね。
関 養液栽培の培地はロックウール一本で?
野口 いえ。籾殻くん炭やベラボンも使っていますが、収量・品質等で大きな差は出ていません。
関 施肥において最も注意されている点は。
野口 まず、漠然と栽培するのではなく、きちんとデータを取ること。農業普及センターに養液を2ヶ月に一度見てもらっています。私は単肥を使用していますが、このバラにはここが一番よいというところを見つけるために、肥料の処方も一つの品種につき10通りほどは試しました。それらから得た結論は、土耕も養液も同じですが、培地内のpHをいかに理想的なところに落ち着かせるかというところにつきるようです。はじめは、100tの水槽を作り雨水100%でやりましたが、pHが3近くになってしまいました。これではロックウールが溶け、マットが潰れて気層もなくなり、万年加湿になってしまいます。そこで雨水の割合を段々と減らして、今は地下水を7、雨水を3位の割合にしています。このくらいのブレンドで約5~5.5のpHが保てるようになりました。雨水にはNOxや塵、ホコリがあるので、浄化槽を作り、また地下水には濾過漕を設けてバクテリアを発生させ、鉄分を減少させています。ただ濾過層は地上に出ていますので、冬場だと水温が下がってしまいますから、濾過した水を一端タンクに溜めて、それをボイラーで22℃まで加温するのです。培地をベッド暖房をして、なおかつ、給液も暖めていますから、他の人に比べると花の動きがいいですね。
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関祐二 セキユウジ
農業コンサルタント
1953年静岡県生まれ。東京農業大学において実践的な土壌学にふれる。75年より農業を営む。営農を続ける中、実際の農業の現場において土壌・肥料の知識がいかに不足しているかを知り、民間にも実践的な農業技術を伝播すべく、84年より土壌・肥料を中心とした農業コンサルタントを始める。 〒421-0411静岡県牧之原市坂口92 電話番号0548-29-0215
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