ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

特集

長く持つ、よく育つ、土に還す…
あなたは被覆資材に何を求めるか?(市販機能性被覆資材一覧付)

4 今後の課題

 現状の長期展張性フィルムのおよその価格を表1に示すが、栽培作物の適否、初期コスト、労力などを吟味して選択する必要がある。このデータからは、フィルムだけの年あたりの価格は100円前後で、極端な差はみられない。しかし、張替え労力やハウス構造によって、初期投資額や年間毎の経費が変わってくる。また、フィルムごとの特徴もあるために、一概にどれが一番良いかをいうことはできない。

 張替えの労力は、雨よけ栽培のような側面と妻面のない簡易なハウスにおいても、19時間/10aとされており、一般のハウスではさらに作業労力を要し、大型化すると高所作業の危険性が出てくる。また、強風時の張替えはほとんど不可能である。被覆資材の展張の仕方、フィルムの止め方等の技術開発が必要である。

 また、従来の一般濃ビに比べて、被覆資材の展張期間が長くなったために、それに対応して従来のパイプハウスより構造的に強化されたハウスが使用される。中長期展張性フィルムは力学的にも強度が増しているために、強風等でフィルムが破断される前にハウスが倒壊してしまっては問題にならないわけで、フィルム強度に見合ったハウス構造が必要である。また、フィルムの特徴を生かしたハウス構造は、栽培作物にも有利に働く可能性があり、従来のハウスにそのまま展張するのでなくパイプ間隔を広げて採光性を高めたハウスの設計など、あらたな対応を考慮する必要がある。

 廃プラ問題においては、中長期展張フィルムを用いることによってその年間当たりの排出量は削減できるが、それでも使用済みプラスチックは出てくるわけで、適正な再利用技術の開発が期待される。


[島地英夫]
東京大学大学院農学系研究科で農業環境調節工学を専攻し、その後、横河電機(株)で、コンピュータによる施設栽培の環境制御技術の開発を行う。1988年に野菜・茶業試験場施設生産部に入省し、現在資材利用研究室の室長。現在、施設生産における環境調節、生育制御技術に関する研究を主に行っており、最近では、省エネハウスの開発を手がけている。

関連記事

powered by weblio