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知らなかったでは済まされないJAS法改正の中身

シリーズ第2弾

今回施行される改正JAS法によって(1)全ての生鮮食品に対する「原産地」表示(2)「有機」食品の検査認証・表示(3)「遺伝子組み換え」食品の表示の3点が義務づけられることとなった。
 今回施行される改正JAS法によって(1)全ての生鮮食品に対する「原産地」表示(2)「有機」食品の検査認証・表示(3)「遺伝子組み換え」食品の表示の3点が義務づけられることとなった。

 本誌では「有機」と「安全性」を結びつけた安易な論調に対してその問題点を指摘し、それを法制化することへの疑問を投げかけてきた。もちろん「有機農産物」の存在も、そこに商品価値があることも否定しているわけではない。

 ただ、消費者の「農産物に対する不安」の裏返しとして「有機」が煽られてきた結果、無理が生じ、「嘘の」有機農産物が市場に氾濫するようになったことを見つめ、本来あるべきは、流通量の99%を占める「有機」ではない農産物の「安心」を取り戻すことにあるというのが本誌の一貫した考えである。

 今まで農業経営者と流通業者の良心に任されていた「有機」表示は、改正JAS法の施行によって、違反した場合罰則の対象となる。今度は、「知らなかったでは済まされない」のである。


JAS法改正で始まる、農家の淘汰選別

農業ジャーナリスト 土門 剛


 3月6日、農水省はJAS法の規格に合格した有機農産物、有機食品を表示するマークを制定したと発表した。10月以降は検査認証を受けてこのマークを付けたものでないと、原則として「有機」の表示ができなくなる。

 いよいよ4月1日、改正JAS法の施行だ。

 無農薬・無化学肥料を3年以上栽培と決められた有機の基準をクリアしないのに「有機」と表示したり、原産地を偽ったりしたら、懲役1年以下、100万円以下の罰金が待ちかまえている。

 4月以降、有機と表示するには、その厳しい基準をクリアして、第三者認定機関(登録認定機関とも呼ぶ)の認定を受けなければならない。その認定を受けたもののみ、「有機JASマーク」をつけることができる。

 基準もクリアせず、第三者認定機関の認定も受けない農産物と加工食品を扱った生産者や業者は、それこそ罰則を覚悟した「勇気」マーク?となるわけだ。

 なんで改正JAS法なのか。これを考えてみよう。

 まずは農水省の公式見解だ。

 「近年の食品の消費形態の多様化や、味、鮮度、健康、安全性に対する関心の高まり等を背景とした食品の表示の充実強化の必要性、有機食品等についての不適切な表示や生産基準の不統一の是正の必要性、JAS規格制度についての規制緩和、民間能力の活用、国際整合性等に対処するため、JAS法に基づく品質表示制度の充実強化及びJAS規格制度の見直しを図る」

 もっと分かりやすく言えば、正直者がバカを見ないように、あるいは一生懸命に努力した者が報われるように、国が農産物や加工食品の規格や品質表示のルールを明確にして、罰則規定まで設けてきた。そのルールも、国際的に通用するインターナショナル・ルールに近づけるというのだ

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