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土壌別経営診断うちの土ではどう作る?

静岡県磐田市・柴田好弘さんの場合

柴田さんはウナギの養殖からコメ作りに転換されたわけですが。
関: 柴田さんはウナギの養殖からコメ作りに転換されたわけですが。

柴田: はい。ウナギをやるためにここの地所を買い、農業の資格を取ったのですが、ウナギの景気が悪くなって水田へと転換したのです。

関: そういう人の方が、かえって田圃が冷静に見れるのではないでしょうか。

柴田: そうですね。ウナギで3千万円を2人で売り上げるのは楽ですが、農業で3千万円上げるのは大変なことです。しかし逆に2千万円上げれば、経費がかからない分だけ残ります。そういった意味では、農業は売り方一つでかなり違うものです。1億の売上でも、経費や設備に9千万円かけるのであれば、2千万円売り上げて1千万円残る人とどちらがいいかと言うと、後者の方がよくなってしまう。前者はよりたくさんの仕事をしないといけなくなるからです。

関: 特にお米を数反の範囲でやっている人というのは、経営とは言い難い状況です。だからかえってお米で勝負しようと思う人はこれから面白いのだと思います。ただ、コストの問題でどこまで下げられるかということがある。

柴田: コストの問題では、外国と競争しても絶対勝てないのですから、生き残る方法は、地域との関係の中から出てくるのではないか。逆説的に聞こえますが、私にとっては2反3反やっている人たちがいることが強みになるのです。1町歩ある人は、自分でやるという計算をするとかえって合わない。例えば、自分でやると1反当たり7万円のお金がかかるとすると、1町で70万かかる。70万払わないといけないし、それ以上でお米を売らないといけない。ところが2反3反の人たちは、自分で食べる分を自分で作るだけです。出費も20万30万ですむ。返って大きな規模の人たちが止めて、小さい規模の人たちが作り続けているのです。ここは米どころではないので、若い人たちもやらないし、仕事が大変なら全部貸してしまえとなる。無理に流動化しなくても自然となる。

関: 米どころでは、やはりお米や土地に対しての執着心が違いますからね。1町2町でもやっていけるからでしょうか。

柴田: それくらいでやっていけるのが理想ですが、前は3万円で売れたものが2万円になり、今は1万8千円になってきた。1万円の時に2万円では売れても、3万円では売れないですよね。

関: そうですね。

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