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パワーショベルは長イモの収穫にだけ使用するものであれば、高価なものとなってしまい採算はとれない。しかし、多目的に使用することによって償却は楽になり、全体の生産性を高めることに役立つものである。時代はパワーショベルを要求しているとさえ言えるであろう。現代ではパワーショベル位使えない農家では困るとも言えるかも知れない。
トレンチャやパワーショベルを使うことで長イモ収穫は楽になった。損傷も与えないのでこれで問題点は解消されてしまったかと言えばそうではない。時代でベースが変わるので、次の技術が要求される。
確かに、腰を屈めての作業の辛さからは解放された。腰を屈めての作業をベースにする時代ではトレンチャやパワーショベルの出現は大いに評価された。しかし、今度はそれがベースになると、幾ら傷を付けない作業体系であろうとも、何時迄も手掘り的な作業ではあるまいとされる。
バレイショと同じ様なハーベスタ体系にはならないが、作業者は機上にあってコンテナ詰め程度の作業をするものであれば万全ということになる。研究開発会が構成されて現在それに取り組んでいるが、ハーベスタが開発されて実用化するのは、技術的には大分先のことになると思える。
何故なら、土壌に接触する作業機の開発はそう単純ではないからである。土壌は地域によって異なり、水分などで多様な変化をする。これを知り尽くして対応するにはやはり時間を必要とする。
ステップバイステップと言うことであれば、手で掘り上げた長イモをピックアップして、コンテナ詰めが容易に行え、これを枕地まで運び出す機械の開発が先ず必要ではないだろうか。人間は運搬作業を不得手にすることから、そう言った身近な問題を一つ一つ解消して行って、最後にハーベスタの開発へと結び付けるのが妥当であると考える。
長イモ栽培は青森県が現在の原型を作った。健康食であった長イモ栽培の技術を普遍化した努力は高く評価されよう。それを大規模化したのは北海道である。今や長イモは特用作物ではなく、一般の野菜作と変わりなくなった。関係者の努力に改めて敬意を表したい。長イモ栽培は農家の所得水準を高め、かつ土層、土壌改良に結び付いて土地の生産性向上にも役立った。未だ栽培面に多少の改善の余地はあるにしても、もっと栽培面積は増えるものと予測される。これからの機械化が楽しみである。
写真1 畦間トレンチャによる長イモ収穫
長イモリフタが開発されたが、これが曲者であり、2段耕プラウで長イモ上部の横の土を撥ね除け、下から長イモを浮上させないとしても、腰を屈めての作業は大きな労働負担であり、損傷を与えることも多い。そこで面倒とばかりに畦間を幅50cm、深さ80cmで開溝するトレンチャシステムが開発された。
トレンチャやパワーショベルを使うことで長イモ収穫は楽になった。損傷も与えないのでこれで問題点は解消されてしまったかと言えばそうではない。時代でベースが変わるので、次の技術が要求される。
確かに、腰を屈めての作業の辛さからは解放された。腰を屈めての作業をベースにする時代ではトレンチャやパワーショベルの出現は大いに評価された。しかし、今度はそれがベースになると、幾ら傷を付けない作業体系であろうとも、何時迄も手掘り的な作業ではあるまいとされる。
バレイショと同じ様なハーベスタ体系にはならないが、作業者は機上にあってコンテナ詰め程度の作業をするものであれば万全ということになる。研究開発会が構成されて現在それに取り組んでいるが、ハーベスタが開発されて実用化するのは、技術的には大分先のことになると思える。
何故なら、土壌に接触する作業機の開発はそう単純ではないからである。土壌は地域によって異なり、水分などで多様な変化をする。これを知り尽くして対応するにはやはり時間を必要とする。
ステップバイステップと言うことであれば、手で掘り上げた長イモをピックアップして、コンテナ詰めが容易に行え、これを枕地まで運び出す機械の開発が先ず必要ではないだろうか。人間は運搬作業を不得手にすることから、そう言った身近な問題を一つ一つ解消して行って、最後にハーベスタの開発へと結び付けるのが妥当であると考える。
長イモ栽培は青森県が現在の原型を作った。健康食であった長イモ栽培の技術を普遍化した努力は高く評価されよう。それを大規模化したのは北海道である。今や長イモは特用作物ではなく、一般の野菜作と変わりなくなった。関係者の努力に改めて敬意を表したい。長イモ栽培は農家の所得水準を高め、かつ土層、土壌改良に結び付いて土地の生産性向上にも役立った。未だ栽培面に多少の改善の余地はあるにしても、もっと栽培面積は増えるものと予測される。これからの機械化が楽しみである。
写真1 畦間トレンチャによる長イモ収穫
長イモリフタが開発されたが、これが曲者であり、2段耕プラウで長イモ上部の横の土を撥ね除け、下から長イモを浮上させないとしても、腰を屈めての作業は大きな労働負担であり、損傷を与えることも多い。そこで面倒とばかりに畦間を幅50cm、深さ80cmで開溝するトレンチャシステムが開発された。
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村井信仁
農学博士
1932年福島県生まれ。55年帯広畜産大学卒。山田トンボ農機(株)、北農機(株)を経て、67年道立中央農業試験場農業機械科長、71年道立十勝農業試験場農業機械科長、85年道立中央農業試験場農業機械部長。89年(社)北海道農業機械工業会専務理事、2000年退任。現在、村井農場経営。著書に『耕うん機械と土作りの科学』など。
村井信仁の作物別・畑作野菜経営機械化講座
北海道での畑作野菜経営成立の背景には、農業機械化による生産技術の革新があった。その機械化が、大規模な野菜栽培を農業の原理原則に従う技術集約へと向かわせる可能性を与えた。そこで、北海道農業機械化の中心的な指導者として、開発と普及の両面からその役割を果してきた村井信仁氏に、畑作野菜の機械化経営技術をご解説いただく。その解説は、これから府県での畑作野菜経営を発展させようと考えている経営者にとって多くの示唆を与えるだろう。一方、北海道の経営者にとっては、農業経営の原理原則に立ち返った技術の再確認と新たな可能性を示すことになるはずだ。(編集部)
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