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写真2 長イモの収穫
播種床の幅は17cmである。中央が開溝されると両側は崩れやすく、長イモを簡単に掘り起こすことができる。人が開溝部に入れば腰を屈めることが少なくて済み、疲労は少ない。
写真3 トレンチャによる開溝の状態
長イモは開溝部の両側にあって、土崩れで頸部を浮き出している。横から手を差し入れる、あるいは上から棒を突き込むことで長イモはそのまま崩れ落ちる。これを手で掴んで収穫すれば楽であり、損傷を与えることは全くない。
写真4 収穫の長イモ
湿性火山性土は所詮黒土である。この土質で栽培されたイモは、薄汚く品質に劣るとされているが、そっと収穫し土をすり込まなければ、肌のきめが細かく白いものが穫れる。トレンチャによる収穫法はその点万全である。
写真5 トラクタの自動操舵装置
収穫作業は播種床造成と同様、深く掘削するために超低速作業となる。このため気の緩みで意外と運転が難しく、蛇行してしまうものである。前もって小さな溝を切り、これに操舵装置を這わせると無人操縦ができ、かつ正確である。何より稼働人数を1人増やすことができる。
写真6 ミニパワーショベルによる長イモの収穫
作条深耕ロータリで1mの深さに砕土して播種床を造成すると、下層が粘土の圃場でも排水性が良好になり、長イモが栽培できるようになった。しかし、秋に降水量の多い年にはラダーチェーンのトレンチャは使えない。そこでパワーショベル(エクスカーペータ)の登場である。
写真7 長イモ収穫用バケット
土木機械は農業機械ではないので補助金は支給できないとされるが、れっきとした掘削型長イモ収穫機である。土壌条件に対する利用範囲が認められ、盛んに活躍している。バケットは長イモ用に幅を狭くし、スリットを設け、土壌付着を避ける工夫をしている。
写真8 ミニパワーショベルの利用拡大(堆厩肥の切返し、積込み)
パワーショベルはバックホー、あるいはエクスカーペータなど色々な呼び方があるが、着実に一般農業に浸透してきている。堆厩肥の造成に威力を発揮するばかりでなく、多様な使い勝手が魅力である。小土木工事は勿論の事、ポストホールオーガを取付けると杭の穴などを簡単に開ける。
写真9 収穫溝埋め機(前方から)
長イモの収穫は殆どが畦間を掘削する方式になってしまった。とすると、この掘削跡をどうするかである。そこで自走式の幅広オーガでこれを埋める機械が開発された。土壌をよく混和するので長イモ栽培を通じ理想的な混層耕が成立する。
播種床の幅は17cmである。中央が開溝されると両側は崩れやすく、長イモを簡単に掘り起こすことができる。人が開溝部に入れば腰を屈めることが少なくて済み、疲労は少ない。
写真3 トレンチャによる開溝の状態
長イモは開溝部の両側にあって、土崩れで頸部を浮き出している。横から手を差し入れる、あるいは上から棒を突き込むことで長イモはそのまま崩れ落ちる。これを手で掴んで収穫すれば楽であり、損傷を与えることは全くない。
写真4 収穫の長イモ
湿性火山性土は所詮黒土である。この土質で栽培されたイモは、薄汚く品質に劣るとされているが、そっと収穫し土をすり込まなければ、肌のきめが細かく白いものが穫れる。トレンチャによる収穫法はその点万全である。
写真5 トラクタの自動操舵装置
収穫作業は播種床造成と同様、深く掘削するために超低速作業となる。このため気の緩みで意外と運転が難しく、蛇行してしまうものである。前もって小さな溝を切り、これに操舵装置を這わせると無人操縦ができ、かつ正確である。何より稼働人数を1人増やすことができる。
写真6 ミニパワーショベルによる長イモの収穫
作条深耕ロータリで1mの深さに砕土して播種床を造成すると、下層が粘土の圃場でも排水性が良好になり、長イモが栽培できるようになった。しかし、秋に降水量の多い年にはラダーチェーンのトレンチャは使えない。そこでパワーショベル(エクスカーペータ)の登場である。
写真7 長イモ収穫用バケット
土木機械は農業機械ではないので補助金は支給できないとされるが、れっきとした掘削型長イモ収穫機である。土壌条件に対する利用範囲が認められ、盛んに活躍している。バケットは長イモ用に幅を狭くし、スリットを設け、土壌付着を避ける工夫をしている。
写真8 ミニパワーショベルの利用拡大(堆厩肥の切返し、積込み)
パワーショベルはバックホー、あるいはエクスカーペータなど色々な呼び方があるが、着実に一般農業に浸透してきている。堆厩肥の造成に威力を発揮するばかりでなく、多様な使い勝手が魅力である。小土木工事は勿論の事、ポストホールオーガを取付けると杭の穴などを簡単に開ける。
写真9 収穫溝埋め機(前方から)
長イモの収穫は殆どが畦間を掘削する方式になってしまった。とすると、この掘削跡をどうするかである。そこで自走式の幅広オーガでこれを埋める機械が開発された。土壌をよく混和するので長イモ栽培を通じ理想的な混層耕が成立する。
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村井信仁
農学博士
1932年福島県生まれ。55年帯広畜産大学卒。山田トンボ農機(株)、北農機(株)を経て、67年道立中央農業試験場農業機械科長、71年道立十勝農業試験場農業機械科長、85年道立中央農業試験場農業機械部長。89年(社)北海道農業機械工業会専務理事、2000年退任。現在、村井農場経営。著書に『耕うん機械と土作りの科学』など。
村井信仁の作物別・畑作野菜経営機械化講座
北海道での畑作野菜経営成立の背景には、農業機械化による生産技術の革新があった。その機械化が、大規模な野菜栽培を農業の原理原則に従う技術集約へと向かわせる可能性を与えた。そこで、北海道農業機械化の中心的な指導者として、開発と普及の両面からその役割を果してきた村井信仁氏に、畑作野菜の機械化経営技術をご解説いただく。その解説は、これから府県での畑作野菜経営を発展させようと考えている経営者にとって多くの示唆を与えるだろう。一方、北海道の経営者にとっては、農業経営の原理原則に立ち返った技術の再確認と新たな可能性を示すことになるはずだ。(編集部)
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