ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

「世界のサラダ・ボール」に暮らして

サリナスのグリーンツーリズム

サリナス市のあるモントレー郡は、郡の収益のほとんどを農業と観光から得ている。
 サリナス市のあるモントレー郡は、郡の収益のほとんどを農業と観光から得ている。

 観光と書いて、えっモントレーなんて知らないよ、と言われるかも知れないが、アメリカでは有名観光地の一つであり、一応日本でも観光地として一部の人々には知られている。実際に観光客らしき日本人もダウンタウンでよく見かける。サンフランシスコへの観光ツアーに申し込むと、オプショナルツアーとしてモントレーツアーが組まれる。

 モントレー郡には、これといって有名なものはないが、爽やかな気候と、美しい海岸線が魅力として挙げられる。あと、明るい人々の笑顔も魅力の一つであろう。

 かつて、この地では農業と観光は全く別々の関係ないものとして捉えられていた。もちろん小さな街である為、農業関係者と観光関係者の接点は幾らでもあったが、ビジネスとしてそれらを統合し始めたのは最近になってからである。日本でもグリーンツーリズムやエコツーリズムといった名前で、農業と観光をミックスしたビジネス形態が発達してきているが、日本でのグリーンツーリズムはどちらかといえば、アメリカよりドイツやフランスといったヨーロッパ諸国を参考にしているのではないかと思う。今回はサリナスの場合を紹介し、ヨーロッパや日本の場合と比較してみようと思う。


農業観光ビジネスの2つの方法


 農業と観光をミックスするといっても、その方法には大きく分けて2通りある。農業から出発して、その先に観光事業を始めるという場合と、元々の観光事業に農業の雰囲気を織り交ぜるという場合だ。

 農業から出発して、その先に観光を取り入れるという方法としては、例えば畑の直ぐ近くにレストランを構えて、収穫直後の野菜を料理しサービスする(非常においしいんですよね、こういうの)とか、自分の畑で観光客であるお客様に野菜や果物の収穫を体験してもらう(楽しいですよね)とか、その土地の野菜を使ったお土産を販売したり(土地柄が出て面白いですよね)といった例が幾らでもあげられる。こうした例は日本でもアメリカでも数多くみられる。

 元々の観光事業に農業の雰囲気を混ぜ込むといった方法はどうであろうか。サリナスではあまりそのパターンを見かけない。ただ一社そういった観光事業に農業の雰囲気を取り混ぜている活動をしているところを見つけたので、その経営者にインタビューをしてみた。以下はそのインタビューの内容である。

関連記事

powered by weblio