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「世界のサラダ・ボール」に暮らして

サリナスの日本人研修生たち

カリフォルニアの野菜企業で働きながら、私が個人的に気が付いた事をいろいろとレポートしているが、生産における技術的な点や野菜の販売方法、流通経路等で日本とアメリカとの違いがあるのは当然としても、それ以前の基本的な事柄についてとても大きな違いがあると最近思う。その違いとは、人々の農業に対する大雑把なイメージの違いである。
 カリフォルニアの野菜企業で働きながら、私が個人的に気が付いた事をいろいろとレポートしているが、生産における技術的な点や野菜の販売方法、流通経路等で日本とアメリカとの違いがあるのは当然としても、それ以前の基本的な事柄についてとても大きな違いがあると最近思う。その違いとは、人々の農業に対する大雑把なイメージの違いである。

 日本人の若い人は、農業に無関心である、野菜作りの大変さを理解していない、食文化の価値を理解していない、食べ物は幾らでも有り余っていると思っている、云々云々とよく言われているが、実際の若い人たちはどう考えているのだろうか。

 ここで、若い人とは誰?という質問がきそうだが…そうです、貴方も立派な若い人である事には違いありません。精神的に若い人、見た目が若い人、言行動が若い人、肉体的に若い人、頭脳が若い人と色々な和解人がいるが、今回は恐縮ながら少し定義を狭めて20歳から28歳までの年齢的に若い人を対象に話を進めて行きたい。


●JATPの若者達


 ここカリフォルニアのサリナスでは現在50人程度の日本人が農業研修を行っている。彼等はJATP(Japanese Agricultual Traning Program)という農業研修プログラムに参加している20歳から28歳までの日本人であり、2年間アメリカの農場等で研修生として活動している。私は彼等の前で1時間程サリナスの農業という題目で講演(スピーチ)を行うという機会を与えられ、その後その中の数名に話を聞く事ができた。

 彼等は長野県や香川県その他日本全国の農業学校や大学卒業後直ぐにJATPに参加していたり、学校、大学を卒業後農業に数年間携わった後JATPに参加したり、大学を卒業後食品企業等で働いた後JATPに参加していたりと経歴は様々である。

 JATPのプログラムに参加された理由としては、日本で仕事をしたくなかった、外国での農業に興味があった、他の国に行って客観的に日本を見たかった、英語やスペイン語の習得をしたかった、取りあえず日本の外へ出たかった等、積極的理由もあれば消極的理由もあり十人十色である。

 彼等はJATP参加中はカリフォルニアに限らず、アメリカ中の農場で研修している。カリフォルニア北部の精米企業でQC(Qualilty Control)の担当を受け持っていたり、ワシントン州の都市近郊型農場でラディッシュやスピナッチ(ほうれんそう)の生産を手助けしていたり、シリコンバレーとサリナスバレーの間にあるSAN MARTINという町でカーネーションを育てていたり、コロラド州で500haもの野菜農場でオーガニック野菜の生産に携わっていたり、サリナスの種苗会社で研修をしていたりと彼等自身の希望に合致した研修先で忙しく活動している。

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