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土壌別経営診断うちの土ではどう作る?

埼玉県川越市・落合喜久男さんの場合

有機資材の施用に当たっては、有機資材の選択と共に、その受け皿となる圃場の土壌状態が重要な条件となる。荒川流域の良質土で落ち葉堆肥を使用し、都市近郊の地の利を生かした農業を営む埼玉県川越市・落合喜久男さんの場合。
関 落合さんの経営の中での主力の作物は。

落合 コマツナが主力となっています。コマツナを専門にしたのは去年からで、その前はチンゲンサイやホウレンソウをやっていました。ただ、家族3人の作業ですから、手間の関係でそれほどいろいろなものを作ることはできません。作目が多くなると、作業が重なりロスが大きくなりますので。また、私はほとんどをスーパーに納めていますので、年間欲しいというところが多く、現在はコマツナ一本にしています。

関 ハウスは軟質フィルムでパイプハウス形式ですか。

落合 パイプハウス3反とシックスライト屋根型タイプの連棟が2反の計5反です。

関 コマツナの周年栽培の場合、ねこぶ病の問題があるところが多いですね。

落合 ええそう聞きます。しかし、この辺は野菜をやっている農家は多いのですが、ほとんどねこぶ病は出ていないのです。

関 そうですか。

落合 この辺は昔から、山の落ち葉を掃いて、それを堆肥として畑に還元していたのです。それでかなあと思います。昔はナス、トマト、キュウリがほとんどでした。その前はニンジン、ゴボウ、サツマイモと時代で変わっています。土作りは、特別やっていたわけではないのでしょうが、そういうものを入れていたことが関係しているのではないのでしょうか。

関 基本的にこの辺りは野菜作に向いた土壌と言えるでしょう。排水性のよい沖積土地帯ですから。技術手段のなかった昔は、本当に適地適作でしか作れなかった。江戸、明治という時代に、東京に供給していた関東一円は、土にもともとの力がありますよね。

落合 本当にそうですね。

関 逆に、適地適作とは言えず無理にやっているところは苦労していますね。また、産地という言葉は場所で限定した言い方ですが、もともとそこに人がいたんですよね。そこを産地にしていくまでにその人たちの大変な努力があった。そういう意味で、その土地に受け継がれたものにこそ優れたものがあるのでしょう。手に入りやすいのかもしれないが、落ち葉を集めて畑に入れるということも、そういったことをしないとだめだ、という産地としての知恵なのでしょうね。

落合 野菜作では落ち葉を大量に購入するほどコストを投入できる人は少ないでしょう。

関 野菜は、基本的には毎日の材料ですから、値段をそれほど高く設定できるものではないですからね。

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