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評論家と専門家、どちらを信じるか?
いつの頃からだろうか、専門的知識と経験を持った研究者・学者の意見が軽んじられる一方で、片手間にかじった知識をもとに、声高に発言する「当事者ではない」御仁の意見が、あたかも真実であるかのようになったのは。放射能問題、遺伝子組換え、このTPPしかり。陰謀論好きの国民性が拍車をかけているのだろうが、どちらが信用に値するか、「未来の当事者たち」は冷静に考える必要がある。
著者はGATT事務局、外務省経済局参与等を歴任。日本・メキシコEPAで首席交渉官を務めた経験を持ち、貿易自由化交渉の現場を体験している数少ない専門家である。その著者が、反対・慎重派の拠り所となる社会保障制度や食の安全がTPPによって脅かされないという根拠を示し反論している。さらにはよりそれらを確実に維持するために交渉でどうすればいいかなど、現場を知る者でなければ決してわからないことにも言及。本書を読み進めていけばいくほど、頭の中で描いた不安に踊らされることが、どれほどまでに滑稽か感じさせてくれる。(紺野浩二)
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