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BOOK REVIEW

トレードオフ 上質をとるか、手軽をとるか

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著者:ケビン・メイニー
定価:1,800円(税込)
 出版社:プレジデント社


無難とは中途半端以外の何者でもない


有吉弘行という名をご存知だろうか。猿岩石というお笑いコンビを解散し、貧乏のどん底から毒舌芸人として不死鳥のように復活した。かつては誰もから愛されるアイドル的存在を志向していたが、嫌われてもいいという覚悟で吐いた毒舌が視聴者の賛同を得、生き馬の目を抜く芸能界で確固たる地位を築いた。なぜこんな話をするか? 彼の二兎を追う者は一兎をも得ずという姿勢が、本書の内容と多少なりとも共通する部分があったからだ。

米国の新聞記者として企業の盛衰を見てきた著者は、企業が提供する商品やサービスの成功例および失敗例を、顧客にとって「上質」か「手軽」かという視点で分析している。両方を追い求めることはありえないとし、中途半端なポジションこそが企業が最もとってはいけない戦略と断じている。多くの客から愛されたい(儲けたい)がゆえに、明確に顧客像を絞ることができないがゆえに困難にぶち当たっているという方は本誌読者では少ないと思う。が、新年に入って経営ビジョンを練り直したいという方は読んでおいて損はない。(紺野浩二)


ケビン・メイニー(著) ジム・コリンズ(序文) 内田和成(解説)
プレジデント社
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