ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

土壌別経営診断うちの土ではどう作る?

千葉県旭市・石毛敏夫さんの場合

作物への水分ストレスは、単に水やりの問題だけではない。水分ストレスを調整するためには、土壌の排水性、保水性、酸素供給能力、土壌中への肥料成分の放出の増減と様々な要素が関係する。砂質土に長年豚糞堆肥を投入することでキュウリへの水分ストレスを低減し多収体系を築き上げた千葉県旭市・石毛敏夫さんの場合
関 キュウリ作のポイントの一つとして挙げられるのは、栽培期間中作物に与える水分ストレスをいかに減らすかということと、肥料の求め方が最初から最後まであまり大きな変化をしないということがあると思います。化学肥料にしろ有機肥料にしろ、固形タイプのものでは、最初は当然その成分の濃度が高く土中に出てきます。水分ストレスを与えないと同時に施肥切れを防ぐということをキュウリは求めているわけですが、それはそういった施肥法によって現れてくる濃度の上がり下がりとは矛盾があります。つまり、その濃度変化によるストレスをどう防いでいくかが課題となるわけです。そのためには、何らかの形で土そのものを変えてやらないといけない。今お見受けする堆肥は、そういった面での手当を考えてのことでしょう。

 この当たりは水田地帯ですよね。

石毛 そうです。ここはそこを20年ほど前に耕地整理で畑にしたところです。

関 圃場整備の規定によって、盛土をしたのですね。

石毛 そうです。整備後、堆肥や切りワラを集めて切り返し、ハウスの中の土にもだいぶ入れたのです。それで、土が肥えてきたようです。

関 盛り土したときは、排水の設備もされて。

石毛 排水の設備は特にないですね。

関 地下排水はされていない。

石毛 ええ。深耕ロータリはやっていますが、特に暗渠の必要性はないようです。

古川 この当たりは母材が砂土ですので排水性に優れていることと、ハウスのすぐ近くに新川という二級河川が流れているのですが、そこに水が引っ張られているので排水がよいのだと思います。

関 砂質の土というとこの辺の塩基置換容量は。

古川 場所によって異なりますが、旭市の中で低いところでは、塩基置換容量で8や5ということがあります。石毛さんのところの28という数字は信じられないほど高いのです。それだけ、土壌改良をなさってきたということですね。火山灰土に近いほどの塩基置換容量がありますので。

関 私もこの数字を見てそう思ったのです。私のいる地方は静岡の砂の地帯で、そこではジャガイモ、トマト、メロンの栽培が行われているのですが、その辺りでは何も有機物を入れていないところでは、交換容量が2ぐらいしかないのです。有機物を多く入れても5ぐらいまでしかいかない。

古川 旭市の平均としても10前後でしょう。

関連記事

powered by weblio