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植物の力 その神話と科学

植物の潜在能力を再構築せよ!

――それだけ長い間抵抗性を維持しているということですか。

「見た目では病気が出たか出ないかでしか、必要十分な抵抗性を発揮しているかどうかは分かりません。しかし、私は以前努めていた職場で家庭用医薬品を担当していた関係で、自然条件下で抵抗性を誘導する物質サリチル酸のことは知っていました。バイオンが、人為的にサリチル酸の蓄積と同じ役割、つまり圃場で適時に稲の抵抗性を促し病気になりにくい体質にする働きも、理解できているつもりです。ただ効くから使うのではなくて、その作用過程を知ることで、新しい農業が見えてくると考えています。」

――箱処理用とカタログに書いてありますが、実際どの時期にどのくらいの量散布するのですか。

「移植当日に、1箱あたり70グラムほどですね。昨年の経験からいうとそれぐらいが適正かと思います。品種や土壌状態、天候にもよるでしょうから一概には言えません。」

――それにしても少ないですね。

「そうですね。私どもは10アールあたりの農薬コストを算出して、適正な農薬コストに気を付けていますが、バイオンを使いはじめて確かに農薬コストは下がっています。一つ目の理由が、以前使用していた剤に比べて箱当たりの農薬代の削減、そして二つ目は秋の防除薬がほとんど必要なくなったことによる純粋なコストダウンですね。10アールあたり5,000円ぐらいになりますか。27ヘクタールすべてにバイオンを使っていますから、その違いは大きいです。」

 お話を伺ったあと、圃場に案内してもらった。1区画1ヘクタールの水田が、整然と連なっている。植物の力に思いを馳せながら、夏雨の中、微風でさらさらとなびく稲穂をぼんやりながめていた。バイオンによるSARが働いているか、外からは皆目わからない。ただ、「その作用過程を知ることで新しい農業が見えてくる」との佐々木さんの言葉を素直に呑み込めるような気がした。

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