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【農業経営者ルポ「この人この経営」】
牧場から自然の恵みを
不易流行という経営者意識
- 牧瀬和彦
- 第15回 2000年09月01日
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●何のために何をやっているのか
「何をどう判断していくのか?」まさに経営者の課題の真骨頂だ。「何のために何をするのか?」経営者に、いや、生きていく者にとっては絶えず求められる課題だ。
経営の様子や製品についてばかり尋ねたがる取材者に対し、大黒さんは「私の好きな言葉に『不易流行』があります」と語りはじめた。
おくの細道の旅によって松尾芭蕉が「万物は自然の理法によって変化流行していく」とこの言葉を使った。
「不易」とは永遠に不変な時間を超越して変化しない本質を示し、「流行」は流転し一時たりとも停滞しない変化だとし、詩的真実の表現をするためには表現法も対象の変化に対応しなければならないと説いている。
大黒さんは「私のやりたい基本は『一頭搾り』なんです」と言う。
農業・酪農と寄り添いながら生きていけるのか?
一頭の乳牛に、どのような知恵と技術と環境とタイミングを加味すると人間はどのように生きていけるのか?
「健康に長く生きている牛のミルクや肉を食べることの健康」これが基本であると言う。
一頭分のミルクを、飲用にするのとチーズやバターに加工するのでは付加価値率が違い、得られる収益が違う。しかもそれが健康な牛からのものであれば、収益も「健康に長生きできるはず」なのだ…という。
健康な牛と健康に過ごす…これが変わらぬ基準の「不易」であり、状況に応じてチーズやバターに加工していく…これが「流行」なのだそうだ。
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