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農業経営者ルポ「この人この経営」

牧場から自然の恵みを
不易流行という経営者意識

 「ただ一つ言えることは」…と言葉をつなぐ。

 企業としての成長ではなく、一個人、人間としての成長を絶えず求めていく。どのように成長していくかだけに大黒さんは焦点を絞っている。「関わる人が楽しく幸せになっていければそれが良いのです」と。

 事業を行っていく時の判断基準を明確にし、それをスタッフに具現化させる。その明確な判断基準と、ポリシーを明示するのが経営者の使命なのだが、彼の言い方はそれにははまらない。「会社のあり方を提案し、それが自分で成長していったのだ」と言わんばかりなのだ。

 腕を組んで考え込んでしまう取材者にヒントをくれた。「だから『不易流行』がポイントなんです」と。

 時代や環境の変化を超越して「本質」であり続ける「不易」がある。その「本質」を追求するところから自然に生じる変化が「流行」なのであろう。

 経営者の真骨頂は「判断」でしかない。

 「判断」にも、変わるべきもの、変わってはいけないものがある。何をどう判断していくのか?。変わるとしたらどう変わっていくべきなのか?。変わるとしたらどのような素振りなのか?。それはスマートなのか?。

 流行も不易も「誠」という本質から生まれくるのであり、流行が不易を、不易が流行を動かしもする。

(牧瀬和彦)

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