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土壌別経営診断うちの土ではどう作る?

千葉県富里町・高橋博さんの場合

高橋 そうですね。

関 高橋さんのところは、排水の問題等、物理的な部分ではどのようなことをされているのですか。

高橋 余り水が切れてしまうところは改善の必要がある。栽培すると育たない。また、窪地には虫が湧く。そこを調べてみると下もそうなっている。表面からだけでなく下まで見る必要がある。例えば、過去に施していた肥料分が下層に残っているところでは土の力が出てこない。年に1度同じ自然農法にとり組む組合員の全部の畑を1mくらい掘っているのですが、調べると鍬床(ロータリ)のところに問題が集中している。硬さと温度を調べるとその部分が硬く冷たいのです。ちょうどよい根ができるところにその層がある。これに手を加えなければ土の力が出てこない。その問題を解決すると収量も増し虫も病気も出なくなります。深耕ロータやサブソイラなど、今はいい機械がありますからね。それらで荒療治をして、そこに落花生や大豆を育て、根や残渣で土を変えていく。しかし、それは1年や2年では消えません。また元に戻ってしまうこともある。

 更に、土づくりだけでは我々の農業は成功しません。種の問題があります。一般の種には、色のよいもの、形のよいものができている一方、それらは多肥栽培向けになってしまっています。すると我々のように10分の1しか肥料がないようなところに向くわけがない。ですので、うちの会に入ると、土を作っていくのと同時に種も作っていきます。種が作れなければこの栽培法はできないのです。試験場の人たちは、他の産地と条件を同じにして実験をしなければならないので、一般の種を持ってきます。それを私たちと同時に播くのですが、収穫時にはすっかり差が出てしまう。一般の種では無理なのです。

関 本来であれば、栽培体系全体があって初めて品種ということが成り立つのだと思うのです。品種を作ると言うことは栽培体系全体を作るということのはずですから。

高橋 そうですね。そういう目でやっていけばよいのですが、現状では色や形にとらわれて品種改良が進んでいるのではないでしょうか。しかし、私たちにはそれが必要なのです。隣からもらった種でも自分の土に合うまでには2、3年かかるのです。ですので、もらってもだめなのです。自分で作らなければ。自分の土にあった種を自分で取っていかなければ私たちの栽培法は成立しないのです。

関 有り難うございました。

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