ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

読み切り

手数料自由化見送りで卸売り市場はどう変わる

7割がイエローカード


 卸売会社の経営状態はもはや危機的状況にある。

 卸売会社の収入源は、取扱い高に応じて支払われる委託手数料である。業界では年間250億円以上取扱高がなければ、「問題会社」という烙印をおしてきた。

 全国中央市場青果卸売協会加入の青果卸105社の取扱い高を示したのが42頁の表である。業界全体で99年度決算は2兆4580億円(消費税込み)。3年前の97年度に比べ5.52%も落ち込んでいる。

 「経営健全性」の目安とした250億円をクリアできたのは、105社中でわずか 31社だった。残る74社は国から「経営に問題あり」のイエローカードを突きつけられたにも等しい無惨な経営状態にある。

 業界の体質は旧態依然。大半が同族的会社である。そうでないのは、大手の東京青果、名果、大果大阪青果など数えるほどしかない。

 同族会社であるが故、十分に経営内容がディスクロージャーされないし、場合によっては、決算操作でごまかしている会社もあるようだ。

 その手口は古典的。子会社や系列の仲卸との間でキャッチボールのように取引を繰り返し数字を膨らましていく方法のようである。卸業界に詳しい事情通はこう説明する。

 「産地から委託販売を受けた商品は、いったん売上げ計上し、それを帳簿の上で子会社や仲卸に売り、そこから再出荷して取扱い高を膨らましていく。巧妙に書類をごまかすので、税務署が伝票を一枚ずつでもチェックしない限り見破ることはなかなか難しいようだ」

 収益率も極端に低い。業界の旧弊でもある出荷奨励金や完納奨励金が収益を大きく圧迫している。

 出荷奨励金は、「卸売業者が出荷取引に当たって、出荷の奨励など(出荷の計画化、規格・包装の改善の奨励等)のため、出荷者又はその組織する団体に対し支出する交付金」とある。青果物の場合は、農林事務次官通達で「最高交付率は、野菜1000分の17、果実1000分の10」と決めている。

 一方の完納奨励金は「卸売業者が売買取引に当たって、販売代金の早期納入の促進等のため、買い受け人又はその組織する団体に対し支出する交付金」ということだ。青果物の場合は、これまた次官通達で「卸売業者の年間総取扱高の1000分の10の範囲内で開設者が定める限度内」と定めている。

 業界によれば青果卸会社で出荷奨励金が営業経費の11.5%、完納奨励金13.3%で、合計25%近くなる。98年度の数字だ。

関連記事

powered by weblio