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作物別経営研究

ホウレンソウ ~できの善し悪しだけでなく、「食べ方」の提案が伴う栽培を~

ホウレンソウは「菠薐草」と書く。「菠薐」とはペルシャ(今のイラン)を指し、そこがホウレンソウの原産地と言われている。ペルシャから中国とヨーロッパへ伝わり、それらが時期を違えて東洋種、西洋種として日本に伝わった。
 ホウレンソウは「菠薐草」と書く。「菠薐」とはペルシャ(今のイラン)を指し、そこがホウレンソウの原産地と言われている。ペルシャから中国とヨーロッパへ伝わり、それらが時期を違えて東洋種、西洋種として日本に伝わった。

 東洋種は一般に葉色が淡く葉も薄い。葉形は長三角形で先端部が尖り、切れ込みが入っている。一方西洋種は葉色が濃く葉肉も厚い。形は紡錘形で先端は丸みを帯び、切れ込みは無い。

 日本ではホウレンソウの定番と言えばさっと湯がいて水揚げするお浸しであるため、色が薄く味も淡泊な東洋種が好まれていた。また、葉柄の基部が紅色のものが上品とされていた。

 西洋種にはシュウ酸石灰が多く含まれるため、独特の土臭さがある。西洋では、炒めるなど火をよく通す調理法が一般的であるため、シュウ酸はアクとして溶脱する。火をよく通すということは、お浸しとは反対に、葉色が濃く葉肉も厚いものが好まれることになる。

 現在、品種交配技術が発達し、掛け合わせでそれぞれの長所を引き出し、消費、栽培目的に合わせた品種が作り出されている。

 ホウレンソウの病害の中でも、日本で最も深刻なベト病に対しては、東洋種に比べ、西洋種が強い抵抗性を持っている。特に夏場は西洋種の栽培が勧められるが、西洋種はシュウ酸が多く、消費者に受け入れられずらい。そこでシュウ酸の少ない交配品種が開発され、市場に出ている。

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