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【読み切り】
「農」と「食」の未来を創る円卓会議(後編) 目線の揃う人で儲ける手前の話をしよう
- 編集部
- 2000年10月01日
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誰にとっての「適正」価格なのか?
三輪宏子(司会):それでは二番目の価格についての問題に移らせて頂きます。「食べる人」の一人として、季節によって変ったり、逆に変わらなかったりと、どう値段の設定がなされているのだろうとスーパーへ行く度に思います。また、最近は産直、いわゆる市場外流通が非常に盛んに行われています。単純に考えると、産直は市場も仲卸も通さないのだから安くなるはずなのですが、実際には消費者の手に渡った時にどうなのかということについても触れていきたいと思います。まず林さん。
林直司(仲卸代表、(株)ジャパンフレッシュセンター):青果物の流通の流れは、バブルがはじけるまでは生産基点型流通でした。それが不景気になり、現在は消費基点型流通になっています。つまり、消費者が買って初めてお金になるということがその前提になります。例えば、生産者の方から、原価はこんなに安いのにこのキャベツはなぜ98円で売っているのだろうか、もっと安く58円で売ってもいいじゃないか、なぜ儲けているのかと疑問の声が上がることがあります。これについては、ものの流れの中で「値ごろ感」というものがあることを理解していただきたいと思うのです。98円がいわゆる消費者が買ってくれる一番の基準。これを100とすれば、78円から98円が大体100の線です。ところが58円となると逆に売れ行きは減少してしまいます。また、産直でメリットが出るかどうかという問題は、現在、規格の中でしかお店では売られていないので、規格外のものをどうするのかまで踏まえて考えなければ、産直は成り立たないのではないかと思います。適正価格については、生産者サイドからすれば再生産につながる価格がいくらになるのかということでしょう。その接点が問題となるわけです。いずれにしても、消費者が基点の流通になることは間違いがないと考えています。
三輪:林さんがおっしゃった中で規格という言葉、また、適正価格が消費者基点で産み出されるものだということ、消費者には「値ごろ感」が必要なんだということを頭の中に入れておいて頂きたいと思います。佐藤さんは業務用ということで仕入れているわけですが、産直もされている中、価格のメリットという点ではいかがでしょう。
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