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「農」と「食」の未来を創る円卓会議(後編) 目線の揃う人で儲ける手前の話をしよう

様々な許認可を必要とするリサイクル事業


三輪:最後に、循環流通の話に移りたいと思います。関東や北海道でも実験が始まっていて、例えば量販や外食チェーンのセントラルキッチン、あるいはカット工場から出てくる野菜の残渣、これを生産者のところへ運び発酵させ、堆肥化させる。或いは養豚農家に飼料として届けるという形で徐々に取り引きが始まっています。これは生産者、消費者、廃棄物処理業者の方も含めて一丸となって取り組まなければならない課題ではないかと思います。まず長野県で産業廃棄物処理業者をしている高橋さんに口火を切って頂きたい。高橋さんのところは、リサイクルや産業廃棄物処理業者としてはISO14000を取得されているご経験から、今後の循環型流通に対してどのように見ているかお話して頂ければ。

高橋賢三(廃棄物業者代表、宝資源(株)):私も廃棄物処理業者として、生き残る策を考えてISO14000の認証を取得しました。我々の業態のほとんどの業者は排出事業所から処理上まで運ぶだけの運搬業です。運ぶだけでいくらということになるのですが、排出側にとってはその費用に高い安いという意向がありますので、そこでダンピングが行われる。ダンピングをすると採算割れをします。では採算割れをしたものを合わせるために何をするかというと、分別や減量化をしないで、目方の上乗せをするわけです。そうやって、つじつまを合わせているのが実体です。そういった業界筋の流れの中で、お客さんに安心・安全な処分をして信頼をして頂ける機能体質に改善しようということで、ISO14000を取得しました。それは、ただゴミを処理するという考えではなく、当方としては発生元から直接使って頂ける方のところへの供給ということで業務を図るようにしています。これは排出者の皆さんに、分別というものをきちんと理解して頂くことを前提としています。分別するためには、別車両で個々の品物を回収します。回収したものを支社の工場でメーカーのニーズに合った原料に変えて、メーカーに納めるということをしてきました。先ほど三輪さんが仰られましたように、これから食品流通メーカーでの有機物リサイクル事業は進んでくると思います。この場合、農業生産者を単に廃棄物処理業者と見なしたリサイクルではなく、いかにスムーズな循環をするかということにより配慮するべきではないかと思います。単純に考えると、供給源が堆肥を作り農地に持っていく、農地からは産地の品物を引き上げてくれば、運賃が双方半値ということになります。ただ、そうなると食品衛生法の規制がどうなっているかを考えないといけないかと思います。リサイクルでは、いろいろな課題もリスクも背負っていくことになります。そしてその目的は、出来るだけ無駄な費用をかけないようにするということになるでしょう。

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