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「農」と「食」の未来を創る円卓会議(後編) 目線の揃う人で儲ける手前の話をしよう

循環型流通への取り組みとこれからの課題


三輪:今発言頂いた高橋さんや志岐さんは、全国各地の外食店舗やスーパーで環境関係やリサイクルについてのコンサルティングをされています。関心のある方は後程懇親会の時に是非お話しして下さい。法律的にも知らないと皆さん後で困る問題もあるかと思いますので。この問題について、すでに取組みを始めているジョナサンの佐藤さん、お話し頂ければ。

佐藤:取り組んでいるとは言え、なかなか実現出来ないのが現状です。外食の場合、基本的には生ゴミの問題がメインとなります。千葉にある私共の工場では、残渣を養豚の餌にしています。これは一ヶ所の工場のものだけなので割合と簡単な話なのですが、店舗の方でもやはり生ゴミが大量に出て、これを分別しながら循環型にしていくのはやはり難しい問題です。考え方としては、生ゴミを堆肥化または飼料とする。そして、生産者の方と話をして、堆肥を使用した生産物を買うという方法もあります。ただ、ゴミを他県に持っていけないという法の問題もありますし、生ゴミは水分が非常に多いので、まず最低でも水分を2分の1に減らしてからでないと、輸送なり堆肥にすることすら出来ません。生ゴミの水をどうやって減らすかは今後の課題として残っています。また、他県に跨げないので同県内で堆肥化するというところまでをやっているのが現状です。1企業で動いて他県を跨ぐようなことをするのはなかなか難しいことで、これからの課題は随分あると思います。

三輪:村上さん、生産者を代表してお願いします。

村上:東京や大阪で堆肥にして、北海道の知床まで持ってくるというのは大変なことですので、受け入れという点ではどうかと思いますが、こちらから発生して送る野菜には、クズをなくすよう厳選し少なくして送ることにしています。かつては、パッケージまで産地でやれば消費地へ着いてから捨てる部分が少ないのではと考えた時期もありましたが、生産側でパッケージをしても送る間で痛んだりトラブルが出た時に、全て選別をし直すといったことになった場合、とんでもないコストになりますので、結局メリットが出ませんでした。現状では、青果工場で出たカスについては全部堆肥化しています。我々の場合、ジャガイモのでん粉をすったカスや、ニンジンの選別のクズや小麦藁を発酵飼料としたり、畜産農家からの牛の糞を持ってきて堆肥化したりしています。先程小野寺さんが町内全体で流通しているという話をしていていましたが、私たちの場合は、ちょっと地域を跨いでいる。北海道はどうしても畑作地帯、水田地帯、酪農地帯がそれぞれ分かれているので距離があります。昨年は片道100kmの道のりを1日で2、3回堆肥運びをしたらやはり疲れました。

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