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土壌別経営診断うちの土ではどう作る?

神奈川県三浦市・川名満さんの場合

川名: 市場では三浦ダイコンは暮れの季節商品で、12月の24~26日だけあればいいとなっているのです。暮れには1本300円の数字が付いても、1月をすぎると1本100円も付きませんから、三浦ダイコンの出荷量の95%はこの4日間で出ます。また、洗浄、調製、箱の変わりにビニール袋を使うなど、作業体系が変わってきます。乾燥している年だと少し粘土系の土では、収穫する時に力を入れると首が撥ねちゃうのです。そのため鍬で周りを掘ることになります。

関: 当然青首になるべくしてなったのですね。

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 連作障害という言葉は、ずっと以前から農業専門用語としてあったわけではありませんが、「忌地」という言葉が江戸時代の農業書にも記されていて、同一場所に作り続けないほうがよい野菜がいくつかあることを明確に述べています。

 これは自家用の野菜作りでもあらわれることです。

 それに対して古くからの有名産地は、同一の野菜を作り続けることでその知名度を上げてきました。

 そんな産地を長年維持できた地域は、日本列島の中でもごくわずかしかありません。

 このごくわずかの例から、その原因が何であるのか探求することは、大いに価値のあることだと思います。

 この理由から、今回は神奈川県三浦半島のダイコン産地を訪ねてみました。

 取材をお願いした生産者は、川名さんという250aの耕地を上手に切り回している、地元でも有数の若手経営者です。

 三浦半島のダイコンは、地理的に区分すると3つに分かれます。

 北部・中部・南部とわずか15kmぐらいしか地理的には離れていませんが、その播種適期は少しづつ異なり、ダイコンの生育状況に差があらわれます。

 有名産地が長年の努力によって成り立っているのは、このような細かい観察の積み重ねによるものだと改めて実感しました。

 さて、今回のテーマの一つである発病抑止土壌とは、連作を続けると発生しやすくなる土壌病害が発生しにくい土壌の事を言います。

 それには大別して、(1)病原菌が定着できないタイプ、(2)定着するが発病しないタイプ、(3)はじめ発病したのに連作を続けるうちに漸減するタイプ、があります。

 このシリーズにおいても以前に、小豆大の礫層が厚く存在すると、そこでの水の縦移動が連作による特定分泌物を排除することで悪影響が残らず、また特定の病原菌も定着しにくいと推測されている地区(愛知県渥美半島先端のキャベツ産地・通巻17号参照)を紹介したことがあります。

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