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BOOK REVIEW

日本の「安心」はなぜ消えたのか

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日本の「安心」はなぜ、消えたのか 社会心理学から見た現代日本の問題点

編著:山岸俊男 著
定価:1,680円(税込)
 出版社:集英社インターナショナル


安心社会から信頼社会へ

かつて農村では犯罪を心配せずに生きていけた。そうした社会的安心が危機に瀕している。それは日本人が疑い深くなり、他人を信頼しなくなったからだといわれることがある。だが、本当にそうか。本書の著者は田舎で犯罪が少ないのは、まわりの目があったからであって他者を信頼していたからではないと述べる。むしろ「信頼」を必要としないのが従来の日本社会の特徴だったと著者はいう。

社会心理学者である著者は、これまで言い習わされてきた「日本人は集団主義」「いまの日本人には武士道が欠けている」といった常套句の嘘を客観的に指摘する。そこから見えてくるのは欧米人以上に個人主義的で他者を信頼しない日本の伝統的システムである。ではいまの日本に必要なのは何か。一言でいえば、他者への「信頼」に基づいた社会システムだという。それは武士道精神とは真っ向から対立するものであり、歴史的にいえば商人文化の伝統を統治のシステムに生かすことだという。本書を読んだ後ではもはや「日本は和の文化」とは素直にはいえなくなるだろう。(田中真知)


日本の「安心」はなぜ、消えたのか 社会心理学から見た現代日本の問題点
山岸 俊男
集英社インターナショナル
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