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【農業経営者ルポ「この人この経営」】
共同組織の「限界」を超えて
- 編集部
- 第17回 2000年11月01日
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オコッぺフィードサービスの概要
広い圃場を牧草ハーベスタが疾走している。カタログでしか見たことのないような自走式の大型ハーベスタだ。
引いているワゴンが満杯になると、待ち受けていた4tトラックが半乾燥された牧草を受け取り、バンカーサイロへとピストン輸送する。
隣の圃場では、前後にモアを装着したこれも大きなトラクタが牧草を刈っている。見る見る間に牧草の帯が圃場を覆っていく。
オコッペフィードサービスの機械装備は全てが大型だ。北海道の酪農(草地利用)とはいえ、延べ500~600haの草地を管理し、収穫物をTMR調整し各酪農家まで宅配販売する事業には大型で安定した作業が必要になる。
施設・装備は、800t級のバンカーサイロが8本。飼料調製庫230平方メートル。自走式ハーベスタ、コーンプランター、トラクタ(95~270ps、5台)、モアコンデショナー、ロールベーラ、テッダ、レーキ、ラッピングマシン、ブロードキャスタ、マニュアスプレッダ、自走式ミキシングフィーダー等、列挙したらきりがない。
オコッペフィードサービスは2年前に酪農家5戸で自給粗飼料生産組合として設立し、翌年有限会社に移行設立した。現在7戸が構成員となり、3人の従業員と構成員7人で作業をしている。
構成員はそれぞれ牧場で酪農等を経営している。搾乳等の飼養管理は各牧場が行っているが、それぞれが所有している草地・畑は会社が一括で管理し、収穫物を全て会社で買い受けている。
オコッペフィードサービスとしては農地を一切保有していない。圃場は全て各構成員の所有地である。牧草地320ha、デントコーン畑30ha。これらの収穫物は一括してサイレージや乾草として管理し、構成員へのTMR調整した飼料として毎日宅配・販売を行っている。
また、近隣の農家の牧草サイレージやコーンサイレージの作業受託(コントラクター)も行っている。
TMR(Total Mixed Rations)とは、乳牛のための不断給餌する穀物や粗飼料、配合飼料を混合したものであり、乳牛が必要とする全ての飼料成分の栄養水準が均一に保たれている。
それにより、乳牛は養分要求に見合うバランスのとれた飼料を最大限に摂取でき、能力を100%発揮できる。
標準的な飼養形態がとれ、規模拡大が容易になり、注目を浴びている給餌・飼料形態である。
代表取締役の近藤三男さんによると、粗飼料を中心としたTMRと粗飼料生産作業の作業請負(コントラクト)を組み合わせた事業体は、北海道ではこのオコッペフィードサービスが唯一ではないかとのこと。
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