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農業経営者ルポ「この人この経営」

共同組織の「限界」を超えて

機能分担 分業システム


 オコッペフィードサービスのポイントは以下の通りである。


【◎農地の集約、作業の専門化と一貫管理】

 構成員の所有する草地を会社が一貫管理する。600haを一枚の圃場として捉え、堆肥投入による地力管理、トータルな栽培設計、管理を行う。草地の更新計画、コーンの作付け計画など年間の作業計画を総合的に組み上げることが可能となり、合理的な体系を組む事が出来る。

 従来は飛び地になっていた構成員の圃場を集約して利用することができ、作業機の効率的な稼働と稼働時間の短縮が可能となった。また、大型機械の導入により収穫期間が短縮され、より良質な粗飼料の生産が可能となった。

 構成員は自分の農場での圃場作業から解放され、飼養管理に集中することができる。


【◎農機具装備・設備の合理化】

 各自が使用していた農機具、作業機を全て会社がレンタルした。構成員の牧場には最低限のトラクタだけを残し、一切の作業機を会社が借り受けることとした。

 これにより、会社で運用するトラクタは一時期十数台となった。作業に適した農機具・作業機を使うことが可能となり、会社としての機械装備に対する投資を最低限に抑えることができた。

 また、大型バンカーサイロとTMRシステムにより、構成員の給餌作業の軽減と、年間を通して安定した品質の飼料給与が可能となった。


【◎TMR飼料の宅配・販売】

 以前は構成員の牧場が個別に飼料生産(圃場管理作業・サイレージ作業・飼料の調製作業)を行っていた。これを会社でTMR飼料の宅配をすることにより、個別の牧場での機械装備、作業の負荷から解放された。「奥さんは野良作業に出なくていい」と喜ばれている。

 TMR飼料の配合作業は、7戸の構成員の酪農のために、毎日7回行われる。しかし、配合から宅配に至るまでをたった一人の作業人員で行っている。

 サイレージ、単品飼料、乾草、微量要素等、各農家それぞれの飼料のプログラムに合わせた配合割合を半自動でサイロや、単品飼料タンクからそれぞれを自走式ミキシングフィーダーに積み込み、混合されたものはベルトコンベアで4tダンプトラックに積み込む。そのまま牧場に運び込み、ダンプしてくるのだ。

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