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農業経営者ルポ「この人この経営」

共同組織の「限界」を超えて

 そんな農家にありがちな『諦め指向』から脱却し、責任を持ち、前向きに対応策を探す指向への切り替えをする意味でも『会社』形式にしたという。

 仲間内の仲良し組織のままではいけない。組合形式を取ると、往々にしてなれ合いや諦めのマイナスな部分が現れてくる。

 「構成員達は、家に帰れば全員その牧場の社長なんです」「これからの酪農・農家も…」と言葉をつなぎ、『会社的』な、ビジネスライク的な考え方をしていかないとやっていけない時代なのです。合理化や経理やコストダウンは、そんな事を意識できないとやっていけない、と。

 これは、オコッペフィードサービスだけでなく、構成員それぞれの酪農の経営に対しても同様なことであり、それを意識する為にも会社形式にしたのだ。

 ビジネスは契約が全てである。仕事として請け負った作業は自分の尺度で「こんなもんでいいか」では済まされない。依頼側の満足を得ることで初めて仕事は完了する。構成員7戸は全員が『取締役』である。個人の好き嫌いや利害よりも、会社の利益を第一に考えるという責任と当事者意識を持つようにしている。

 彼らは語る。「会社(オコッペフィードサービス)で、しっかり仕事をして、ちゃんとした餌を作らないと、自分たちの牧場も高い飼料や悪い飼料を買わなきゃならなくなるから、どっちもちゃんとやりますよ」…これも当事者意識である。


新機軸 新たな共同組織


 オコッペフィードサービスのもう一つの事業に近隣農家の圃場作業の請負がある。いわゆるコントラクターである。

 しかし、請け負う圃場作業は必ずしも好条件の圃場とは限らない。委託する方から見れば、今まで自分で作業していた圃場である。できれば自分で作業をしたくない圃場条件の悪いものから委託に出したくなるのが心情である。

 故に現在の事業に占める作業受託の比率は高くはない。しかし、近藤さんは言う。「まぁ、そのうちです。見ていて下さい」と。

 役所や農協が音頭をとる共同作業の組織は、今まで長続きしないのが常であった。

 共同作業組織は、当初は、状況を打破し新しい作業環境に期待する明るいものであった。しかし、数年もするとその活気は停滞してくる。これは北海道だけでなく、全国的にも各地で見られる状態である。

 構成員同士で、関係がギクシャクしたり、共同作業の負担や利益の配分に不平がでてくる。思い通りの時期に作業が出来なかったりして、悪平等だという言葉さえ見え隠れする。

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