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特集

「過剰施肥」脱却のススメ

 ある作物を栽培するに当たって、まず石灰を播いて肥料は基肥として○○化成を何kg、追肥は、この時期に○○化成を何kgを基準として施用するように…といった指導体勢です。

 私は、このような指導体勢に多くの疑問を感じ、大学(東京農業大学大学院土壌学専攻)で学んだ事を、実際の農業の現場で活かそうと農園内に土壌診断施設を完備し、農家の視点に立った、農家による土壌診断に取り組み始めました。

 農園内に研究所を開設して以来、15年余り当園の土壌診断はもちろんの事、各地の土壌診断を手がけて参りましたが、石灰や窒素・リン酸・カリといった肥料成分が根本的に少なくて作物がよく育たないというような事例は少ないのです。

 逆に、石灰や窒素等が多すぎる事によって作物の生育障害が発生している事例が大変多いのです。

 このような状況にあるにも関わらず、よい作物を栽培しようと相変わらず施肥基準に準じた施肥体系を継続している…これでは作物がよく育つわけがありません。

 このような状況から抜け出して健全な作物の生育をはかるためにはどうしたらいいのでしょうか…答えは簡単です。

 目的にかなった正しい土壌診断を実施し、畑のおかれている現状を知る事です(人間の健康診断と同じです)。

 土壌診断の結果、過剰と診断された肥料成分は、少なくとも肥料として畑に施用する必要はありません。

 特に、日本は火山国で火山灰土壌が多く存在しますので、従来からリン酸肥料の多量施肥が行われてきました。

 しかし、私が今まで土壌診断をした畑の少なくとも80%程度は、作物にとって必要とされるリン酸(可給態リン酸)が適量もしくは過剰傾向にありました。このような畑には、一切肥料としてリン酸を施用する必要はありません。


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