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硝化菌の生育条件は、好気性細菌なので通気性がよいこと、適度な水分があること、pHが中性に近いこと、エサとなるアンモニウムがあることなどである。物理性のよい土壌であれば化学肥料だけでもよいが、一般的には化学肥料だけだと土壌が酸性に傾きやすくなる。すると硝化菌の働きは抑制される。土壌中に腐植物質が多い場合、腐植物質は通気性や保水性を土壌に与えると共に、陽イオン交換容量が高いので、土壌を一気に酸性に傾けないという効果があり、硝化菌の生息環境として適している。
亜硝酸態窒素の植物における被害
1962年、高知県南国市周辺のハウスで、土壌から発生する亜硝酸ガスによって、ハウス内の野菜が一夜にして枯れてしまうという激しい生育障害が発生した。
土壌中では、亜硝酸菌と硝酸菌はだいたいペアで存在しており、同じような土壌条件で生存している。だから、見かけ上アンモニアが直接硝酸に移行しているように見える。しかし過剰施肥によって、亜硝酸が硝酸に移行せず、植物に甚大な被害を与えるというケースがある。そこには2つのメカニズムが関係している。
その一つ、土壌に過剰な尿素が施用されると、土壌pHが上昇してアルカリ性になる。アンモニウム(NH 4 )はアンモニア(NH 3 )と平衡状態(NH 4 ←→NH 3 )にあるが、この平衡状態はpHが高いとアンモニアの方に傾き、土壌中にアンモニアの量が多くなる。アンモニアは生物の体内に非常に入りやすく、また、押し並べて生物にとっては有毒である。そのアンモニアに対する抵抗力が亜硝酸菌と硝酸菌とでは違い、硝酸菌の方が抵抗力が弱く先にへばる。すると土中に存在するアンモニウム(NH 4 )は亜硝酸にはなるが、その先にいかなくなってしまう。それで亜硝酸が土中にたまることになる。これは汚水処理場の水でよく起こることだそうだ。しかし、アルカリが強いと気化するのはアンモニアで亜硝酸は気化しない。
もう一つは、尿素の施肥によってアンモニウムが生成し、土壌は一端アルカリ性に傾き亜硝酸が土中にたまる、その後、アンモニウム(NH 4 )が亜硝酸(NO 2 )に変わっていくに従って、土壌pHがどんどん下がって酸性が強くなっていく。すると今度は、硝酸菌は亜硝酸菌に比べ酸性に弱いので再び亜硝酸がたまり始める。そして低pHでは亜硝酸(NO 2 )は一酸化窒素(NO)になり、気化し、空気中や植物についた水滴に溶け込んで再び亜硝酸となる。亜硝酸は植物の呼吸障害を引き起こし、上記のハウスのような結果となる。これはハウスという密閉された空間だから起こったことでもある。
亜硝酸態窒素の植物における被害
1962年、高知県南国市周辺のハウスで、土壌から発生する亜硝酸ガスによって、ハウス内の野菜が一夜にして枯れてしまうという激しい生育障害が発生した。
土壌中では、亜硝酸菌と硝酸菌はだいたいペアで存在しており、同じような土壌条件で生存している。だから、見かけ上アンモニアが直接硝酸に移行しているように見える。しかし過剰施肥によって、亜硝酸が硝酸に移行せず、植物に甚大な被害を与えるというケースがある。そこには2つのメカニズムが関係している。
その一つ、土壌に過剰な尿素が施用されると、土壌pHが上昇してアルカリ性になる。アンモニウム(NH 4 )はアンモニア(NH 3 )と平衡状態(NH 4 ←→NH 3 )にあるが、この平衡状態はpHが高いとアンモニアの方に傾き、土壌中にアンモニアの量が多くなる。アンモニアは生物の体内に非常に入りやすく、また、押し並べて生物にとっては有毒である。そのアンモニアに対する抵抗力が亜硝酸菌と硝酸菌とでは違い、硝酸菌の方が抵抗力が弱く先にへばる。すると土中に存在するアンモニウム(NH 4 )は亜硝酸にはなるが、その先にいかなくなってしまう。それで亜硝酸が土中にたまることになる。これは汚水処理場の水でよく起こることだそうだ。しかし、アルカリが強いと気化するのはアンモニアで亜硝酸は気化しない。
もう一つは、尿素の施肥によってアンモニウムが生成し、土壌は一端アルカリ性に傾き亜硝酸が土中にたまる、その後、アンモニウム(NH 4 )が亜硝酸(NO 2 )に変わっていくに従って、土壌pHがどんどん下がって酸性が強くなっていく。すると今度は、硝酸菌は亜硝酸菌に比べ酸性に弱いので再び亜硝酸がたまり始める。そして低pHでは亜硝酸(NO 2 )は一酸化窒素(NO)になり、気化し、空気中や植物についた水滴に溶け込んで再び亜硝酸となる。亜硝酸は植物の呼吸障害を引き起こし、上記のハウスのような結果となる。これはハウスという密閉された空間だから起こったことでもある。
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