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植物によって異なる窒素の吸収形態
植物が吸収する窒素形態には、アンモニウム(NH 4 )と硝酸(NO 3 )の2形態あり、それぞれの吸収量は植物によって異なることは先述した。
たとえば、ホウレンソウは100%硝酸の形態で窒素を吸収し、ネギは50%を硝酸の形態で吸収する。一般的には、レタスやトマトなどのように70%前後を硝酸の形態で吸収するものが多い。花卉では、ガーベラのような菊科の植物にはある程度のアンモニウムが必要だということだ。
アンモニウムと硝酸の比率は、水耕栽培ではダイレクトに計測できる。これらはそこから見出された結果である。
露地では、一般に硝酸が窒素施肥の基本となる。それは、まず畑にある有機物が分解されてアンモニウムが出てくるため、それでかなりのアンモニウムは補えるからだ。更に、ネギなどのアンモニウムを多く要求する植物では、リン安系の化成や尿素系の化成を入れている。
畑に有機物を施用しておらず、硝酸化成だけを施用している場合、トマトやナスなどでもアンモニア不足が起こって、樹勢が弱るといったことが起こる。
育苗培土にはアンモニア:硝酸が7:3ぐらいの割合で入れてあり、有機物も入っている。始めに硝酸が吸われ、次にアンモニアが硝酸に変えられ、有機物から徐々にアンモニア、硝酸が供給されるという仕組みになっている。
過剰窒素の形態によって異なる病原菌の発生
窒素の過剰施肥によって、病気が激化するケースが様々な作物である。これも過剰なのがアンモニウムなのか硝酸なのかによって発生しやすい病気の種類が違う(表参照)。
西尾道徳教授著の『有機栽培の基礎知識』(農文協)によると、わが国でもフザリウムによるダイコン萎黄病、トマト萎凋病、キュウリつる割病がアンモニウムの過多によって激化されているという報告があるそうだ(表参照)。著書の中で西尾教授は、「アンモニア態窒素の多肥による病害の激化は、土壌消毒を行うと、消毒によってアンモニウムを硝酸イオンに酸化する硝化細菌が死滅しやすいため、一層強調される可能性がある」と指摘している。
冷害の年にはイネのいもち病が発生しやすくなるが、そのとき、窒素の施用量が多いほどいもち菌が発生しやすくなることが知られている。イネは代表的なケイ酸植物であるが、窒素が多いと細胞膜が薄くなり、細胞のケイ酸含量が低くなる。そして細胞が柔らかくなり、いもち菌が侵入しやすくなるのだそうだ。
植物が吸収する窒素形態には、アンモニウム(NH 4 )と硝酸(NO 3 )の2形態あり、それぞれの吸収量は植物によって異なることは先述した。
たとえば、ホウレンソウは100%硝酸の形態で窒素を吸収し、ネギは50%を硝酸の形態で吸収する。一般的には、レタスやトマトなどのように70%前後を硝酸の形態で吸収するものが多い。花卉では、ガーベラのような菊科の植物にはある程度のアンモニウムが必要だということだ。
アンモニウムと硝酸の比率は、水耕栽培ではダイレクトに計測できる。これらはそこから見出された結果である。
露地では、一般に硝酸が窒素施肥の基本となる。それは、まず畑にある有機物が分解されてアンモニウムが出てくるため、それでかなりのアンモニウムは補えるからだ。更に、ネギなどのアンモニウムを多く要求する植物では、リン安系の化成や尿素系の化成を入れている。
畑に有機物を施用しておらず、硝酸化成だけを施用している場合、トマトやナスなどでもアンモニア不足が起こって、樹勢が弱るといったことが起こる。
育苗培土にはアンモニア:硝酸が7:3ぐらいの割合で入れてあり、有機物も入っている。始めに硝酸が吸われ、次にアンモニアが硝酸に変えられ、有機物から徐々にアンモニア、硝酸が供給されるという仕組みになっている。
過剰窒素の形態によって異なる病原菌の発生
窒素の過剰施肥によって、病気が激化するケースが様々な作物である。これも過剰なのがアンモニウムなのか硝酸なのかによって発生しやすい病気の種類が違う(表参照)。
西尾道徳教授著の『有機栽培の基礎知識』(農文協)によると、わが国でもフザリウムによるダイコン萎黄病、トマト萎凋病、キュウリつる割病がアンモニウムの過多によって激化されているという報告があるそうだ(表参照)。著書の中で西尾教授は、「アンモニア態窒素の多肥による病害の激化は、土壌消毒を行うと、消毒によってアンモニウムを硝酸イオンに酸化する硝化細菌が死滅しやすいため、一層強調される可能性がある」と指摘している。
冷害の年にはイネのいもち病が発生しやすくなるが、そのとき、窒素の施用量が多いほどいもち菌が発生しやすくなることが知られている。イネは代表的なケイ酸植物であるが、窒素が多いと細胞膜が薄くなり、細胞のケイ酸含量が低くなる。そして細胞が柔らかくなり、いもち菌が侵入しやすくなるのだそうだ。
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