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特集

「過剰施肥」脱却のススメ

【(2)家畜糞、生ゴミ、汚泥の「肥料化」】

 従来、家畜糞は堆肥として、10a当たり何百kgも何tも土壌に入れられ過剰施肥の原因となってきた。これからは家畜糞、生ゴミ、汚泥といったものを「堆肥」ではなく、「肥料」として使う考え方を定着させていきたい、と後藤教授は語る。同研究室では、生ゴミから作った肥料を開発した(窒素4%、リン酸1%、カリ1%)。これであれば緩行性もあり急激な溶脱も起きず環境に配慮したものになる。


【(3)硝酸化抑制剤の利用】

 亜硝酸菌に働きかけ、アンモニウムが亜硝酸に変化するのを抑制する資材。AM(2-アミノ-4-クロロ-6-メチルピリミヂン)、STK(2-サルファニルアミドチアゾール)、ASU(1-アミヂノ-2-ヂオ尿素)、ATC尿素(4-アミノ-1、2、4-トリアゾール塩酸塩)などが肥料に加えられ市販されている。


【(4)雨滴によって施設内土壌に蓄積した硝酸濃度を低下する】

 最も簡便な方法は、被覆資材を取り、施設内土壌を雨ざらしにして水を多量に入れることである。ハウスが移動式になっていて土壌が雨ざらしになるシステムもある。


【(5)緑肥(クリーニングクロップ)の利用】

 クリーニングクロップは窒素成分の持ち出しと共に、除塩の方法として効果的である。次頁の表のように、窒素やカリが過剰となっている施設土壌などではトウモロコシやソルゴーが適しており、カルシウム過剰の場合、大豆などの豆科の植物が適している。ただし、窒素以外の除塩効果を狙った場合は、それを土壌に鋤き込んでも塩類がまた土壌に還元されるだけなので、圃場外へ持っていく必要がある(問い合わせは雪印種苗(株)、カネコ種苗(株)まで)。


【(6)熱湯土壌消毒機による施設内土壌からの過剰窒素の流出】

 フルタエンネツ(株)の川口氏から頂いた資料によると、熱湯土壌消毒を掛けることによって土壌中の硝酸態窒素濃度が低下することが確認されている。


【(7)耕作放棄の利用】

 耕作放棄は一般に悪いことのように言われているが、土壌の回復という点で積極的な利用ができないか。数年間の耕作放棄によって、過剰な窒素は溶脱し、雑草が繁茂することで有機体窒素へと還元される。リン酸やカリも少しずつ減っていく。ただし、土壌病害が蔓延してしまった土壌では、そう簡単にいくかどうか?菌レベルは下がるだろうがというのが西尾氏の答えだった。15年牧草を植えて、それから作ったがやはり駄目だったという例があるそうだ。土壌中に棲息する菌は、厚膜胞子や菌核を形成するなど様々な生き残り戦略を用意していて、耕作放棄ぐらいではへばらないということがある。

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