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特集

「過剰施肥」脱却のススメ

過剰施肥をしない農業が微生物本来の働きを活かす農業

 最後に、西尾教授が本誌に向けて語ってくれた言葉を紹介する。

「頭から微生物をよくすれば作物がうまくいくとは思わないで欲しいのです。今の日本での農業技術から言うと、養分はたっぷりやっているし、物理性もトラクタで耕起するなど、微生物に依存しないで農業ができる状態にあります。実は微生物が一番活躍する土壌というのは、養分が乏しい土壌なのです。養分の乏しい土壌で微生物が活躍しているという話を聞いて、養分がたっぷりある土壌で微生物に期待をするのはおかしなことなのです。何故、微生物への期待が高まったのかと言うと、連作による病害が出ているからです。しかしそれは、連作という無理やり病原菌が繁殖する条件を作ったからなのです。元を断たずに、微生物によって、何かうまくそれを防止できるのではないかというのは難しい話しではないでしょうか。生物農薬が今脚光を浴びていますが、それは、よく考えてみると化学農薬の代わりに微生物農薬を使っているだけなのです。病気が出やすい条件は温存していて、病気が出たところに化学農薬のかわりに生物農薬を使っているわけです。それは本来微生物を活かす農業ではないと思うのです。微生物を活かす農業とは、過剰施肥をしないということ。また、化学肥料だけに依存しないで、有機質肥料や堆肥を使っていく。養分過剰を絶対避ける。それこそ微生物が本来的な働きをする土壌なのです。養分をたっぷり入れて肥満状態にしていおいて、機械は使った農薬は使った、それでも埒があかない。最後に訳の分からない微生物に期待する。それは本末転倒なのではないかと、私は思いますね。」

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