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【土壌別経営診断うちの土ではどう作る?】
静岡県富士市・荻田均さんの場合
- 農業コンサルタント 関祐二
- 第47回 2000年11月01日
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関 こちらの梨園は泥炭地の水田地帯にぽっかりとありますが、水の問題ではご苦労されているのではないでしょうか。
荻田 この辺は浮島沼と呼ばれていました。泥炭地で、一度雨が降ると本当に沼のようになるところだったのです。ですので、大型機械が入るような状況ではなかった。当時は、稲作の大型機械による一貫体系ということが言われていましたが、この辺りはそういったことはありませんでしたね。バインダーで刈って掛干して、取り込んでから家で脱穀していました。もともと沼地だったせいもあり、畦をしっかり作らなくとも水には困らなかったですね。
関 水が漏れないわけですね。
荻田 そうです。水を抜く方が困ったくらいでした。ですので、畦塗りや畦の管理はずさんでした。秋になっても、田圃だか畦だか分からないくらい。ただ田圃の境にあるというだけ。私が農業をやり始めたときは、「わっか」という田下駄のようなものを履いて歩いたものです。一度雨が降ると秋でもそんな状態になりました。圃場整備事業が行われた時は実は整備は二の次で、いかにして水はけを良くするかが一番の課題でした。
関 それを圃場整備で行ったのですね。
荻田 そうです。ここは海抜5mしかないので、満潮になると潮が入ってくる。それを防ぐには川を大きくして、堰をして潮を吐かせなければならなかったのです。川を広げるにも、当時は農地も値が上がってきたし、行政もお金を出し切れなかったので、それをどうするかということで、圃場整備に絡めてやればということでやったのです。
関 圃場整備では区画整理だけでなくて、暗渠排水も。
荻田:はい。当時は減反政策もあったので、畑にもしなくてはということでやったのです。普通の水田ならば畑になるのですが、そういう状態でしたので、そのままでは畑にならない。田畑輪換は無理でした。ですので、畑は畑として盛り上げてこしらえたのです。畑にするにも、野菜だとなかなか根が付かない。それは、この近くを流れている須津川という川が、今では海へと流れ込んでいますが、昔は沼へ流れ込んでいた川で、よく氾濫したからです。一度氾濫すると石が流れ込んで来るので野菜は難しい。それでこの辺では長十郎などの梨が作られるようになったのです。梨ならば多少石があっても大丈夫ですから。
荻田 この辺は浮島沼と呼ばれていました。泥炭地で、一度雨が降ると本当に沼のようになるところだったのです。ですので、大型機械が入るような状況ではなかった。当時は、稲作の大型機械による一貫体系ということが言われていましたが、この辺りはそういったことはありませんでしたね。バインダーで刈って掛干して、取り込んでから家で脱穀していました。もともと沼地だったせいもあり、畦をしっかり作らなくとも水には困らなかったですね。
関 水が漏れないわけですね。
荻田 そうです。水を抜く方が困ったくらいでした。ですので、畦塗りや畦の管理はずさんでした。秋になっても、田圃だか畦だか分からないくらい。ただ田圃の境にあるというだけ。私が農業をやり始めたときは、「わっか」という田下駄のようなものを履いて歩いたものです。一度雨が降ると秋でもそんな状態になりました。圃場整備事業が行われた時は実は整備は二の次で、いかにして水はけを良くするかが一番の課題でした。
関 それを圃場整備で行ったのですね。
荻田 そうです。ここは海抜5mしかないので、満潮になると潮が入ってくる。それを防ぐには川を大きくして、堰をして潮を吐かせなければならなかったのです。川を広げるにも、当時は農地も値が上がってきたし、行政もお金を出し切れなかったので、それをどうするかということで、圃場整備に絡めてやればということでやったのです。
関 圃場整備では区画整理だけでなくて、暗渠排水も。
荻田:はい。当時は減反政策もあったので、畑にもしなくてはということでやったのです。普通の水田ならば畑になるのですが、そういう状態でしたので、そのままでは畑にならない。田畑輪換は無理でした。ですので、畑は畑として盛り上げてこしらえたのです。畑にするにも、野菜だとなかなか根が付かない。それは、この近くを流れている須津川という川が、今では海へと流れ込んでいますが、昔は沼へ流れ込んでいた川で、よく氾濫したからです。一度氾濫すると石が流れ込んで来るので野菜は難しい。それでこの辺では長十郎などの梨が作られるようになったのです。梨ならば多少石があっても大丈夫ですから。
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関祐二 セキユウジ
農業コンサルタント
1953年静岡県生まれ。東京農業大学において実践的な土壌学にふれる。75年より農業を営む。営農を続ける中、実際の農業の現場において土壌・肥料の知識がいかに不足しているかを知り、民間にも実践的な農業技術を伝播すべく、84年より土壌・肥料を中心とした農業コンサルタントを始める。 〒421-0411静岡県牧之原市坂口92 電話番号0548-29-0215
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