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農業経営者ルポ「この人この経営」

「ウマイ青汁なんてどうですか?」

ケールとの出逢い


 コメの生産・直接販売も安泰ではない。いくら顔が見える消費者との関係を継続していても、米価水準自体が下がっていくとコストも合わなくなっていく。

 無農薬でコメを作るにしても借地で減反に大豆を作られては、思い通りに土壌管理もままならない。

 そんな時期にキューサイのケール栽培に出会った。3年前のことである。

 契約栽培は無農薬・無化学肥料・有機栽培が前提である。その為には水田の土壌管理に全神経を注がなければならない。

 毎年全面プラウをかけ、籾ガラ暗渠を施した。

 幸い、収穫したケールは少々の虫食いの穴が空いていても構わないものだった。

 「これほど収穫に手間のかからない生鮮野菜はないですよ」と語る伊藤さん。採った葉が折れていても、形が悪くても、すぐに搾ってしまうのだから、プラスチック箱にどんどん放り込んでいけばいいのだ。

 午前中に収穫したケールの葉は、選別することもなく、箱ごとキューサイの工場に自ら運転するトラックで搬入する。契約単価は76.5円/キロ。一作で10アール当たり7トンぐらい、多い生産者は10トン収穫できるという。

 収穫作業は後継者の長男(26歳)を含む家族4人と通年パートタイムが2人。繁忙期にはさらにシルバー人材からの派遣を受けて行う。毎日午前中4時間程度を、時給700円で喜んで手伝ってくれる。

 何度か挑戦したがなかなか安定した播種・育苗ができなかったので、苗だけは現在はキューサイのケール育苗場から1700本/10アールを単価9円で購入している。

 キューサイが推奨している有機肥料の銘柄があるが、伊藤さんはキューサイと相談して、自分で選定した銘柄の有機肥料を購入している。肥育牛の堆肥も利用している。

 来年には3年目の完全無農薬作付けとなり、有機認定表示制度に基づく有機栽培の認定を取れるという。

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