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農業経営者ルポ「この人この経営」

「ウマイ青汁なんてどうですか?」

 今年の夏、生産量が追いつかず、ケールと偽ってキャベツを納入し、『ケール100%』ではない青汁を販売してしまったという事件が発覚した。伊藤さんとは別の生産グループの出荷・納品したものだった。

 その事件をキューサイは速やかに公表し、消費者に謝罪をした。同時に、該当する時期に青汁を購入したお客様には代替の青汁を無量で送付した。

 その不名誉な騒動の後、キューサイは、原料のチェックを厳しくし、さらに、無農薬(残留農薬)や有機栽培の施行のチェックを厳しくするマニュアルを発表した。

 しかし、その後、青汁の販売量は8%伸びているという。

 汚点を付けた青汁ではあるが、消費者ニーズは伸びているのである。

 また、一種のブームを呼び青汁以外にも複数の飲料メーカーが生野菜ジュースに『青』の字を冠して発売しており、健康志向の高い読者を持つ雑誌でも『青汁系』と紹介している。

 健康や青汁が単なる健康ニーズに受け入れられた流行と見ることもできる。流行がピークを迎えたころには、別の目新しいものが提案される。そうすると消費者はいともあっさりと青汁には見向きもしなくなってしまう。又、完全契約栽培による独占・寡占化によって生産者が身動き取れなくなる状況になるのではないかと懸念する向きもある。

 しかしその懸念も伊藤さんは言う。「キューサイだけじゃなくてもいいんですよ 出荷先は」

 取引先に一方的に振り回されないで、ちゃんとした生産をすれば、契約の場や販売の場面に於いても、対等の立場で接することが出来るのだと。

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