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作物別経営研究

タマネギ ~府県での移植・収穫作業の機械化が課題~

【最後に―栽培方法、流通システムを視野に入れた機械化を】

 本誌では、平成10年6月、「経営実験プロジェクト―府県での高品質タマネギ栽培の機械化と新しい生産・流通・消費の創造」と題し、茨城県結城市で研究会を開いた。松山(株)の協力を得て、オニオンハーベスタによる堀取り・地干し条列、ポテトピッカーによるタマネギの拾い上げ・選別・フレコン詰めの実演を行い、セントラル・キッチンへのコンテナによる搬入を含め、流通消費をも巻き込んだ合理化の方法について検討した。

 これは、北海道と府県の機械化の違いは単に圃場の大きさだけの問題ではないと考えてのことである。

 府県には、その数は少ないものの、北海道の平均的なタマネギ生産者と同じくらいの規模を持つ生産者がいる。彼らの多くは、北海道の人たちのように機械化によってその規模をこなそうとするのではなく、府県の平均的な生産者の人たちと同じ栽培法で、それを人手を増やすことで回しているという感がある。

 タマネギは、機械化により生産の合理化や低コスト化を進めやすい畑作物である。北海道型の機械をそのまま移行すべきかどうかは別としても、より合理化を求めての愛知農業総合試験場のような取り組みは評価されるべきものであると思う。ただ、機械化は単独では進んでいかない。栽培方法や出荷方法、消費の仕方など、それぞれがお互いの影響を受けながら機械化は進んでいくものだ。従来の栽培や流通システムの変更をも視野に入れて始めて府県における機械化は大きく進むことができるのではないだろうか。(幸野友浩)

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