ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

土壌別経営診断うちの土ではどう作る?

新潟県五泉市・小林文夫さんの場合

古くから水稲との輪作の中でチューリップ球根産地として確立してきた新潟県五泉市。産地として土壌と気候に恵まれながらも、その栽培は、連作回避のために数年の間隔を要する難しさと、水田のpH改善によって起こる微量要素欠乏を超えながらのものとなる。借地を連続し球根生産に取り組む新潟県五泉市・小林文夫さんの場合
関 まず小林さんの経営内容からお聞かせ下さい。

小林 チューリップ110a、牡丹60a、里芋50a、水稲214aです。

関 ここはチューリップの産地としてはどのくらいに。

小林 明治の頃からだそうです。産地化したのは指定産地となってからですが。

関 周年の栽培体系は。

小林 今ちょうど植え込み時期です。それから越冬して、掘り取りは次年度の6月になります。

関 植付け時の施肥は。

小林 約8割が元肥ですね。後は追肥。全体で窒素量が25kgぐらいです。

関 どういった施肥を。

小林 私の一つの圃場での今回の元肥が、苦土炭カルが160kg、シェルフェミニン60kg、球根施肥S30号120kg、BMよう燐40kgです。

関 石灰をかなり入れるのですね。

小林 そうです。酸性が強く、また、砂壌土ですので余計に要るようです。私の場合多くが借地で水田転作としてやるのですが、水田のみの経営の人から借りる場合は耕土が浅いのです。チューリップの場合はもっと深くしないといけないのでその下を掘り出します。それがまるっきり駄目なのです。

関 全然駄目。

小林 全く発根しませんね。酸性だけではなく、専門家の人が調べたところによると亜硝酸ガスがたまっている状態なのだそうです。そうなると根が茶色く焼けてしまいます。それは最悪の場合ですが。まず石灰と微量要素は必要です。

関 シェルフェミニンというのもかき殻の石灰資材でしょう。

小林 そうです。一部心配なところがあるので、追加したのです。

関 静岡県の海岸の近くでダイコン作がやられているのですが、やはり砂地ではホウ素欠乏が出るようです。

小林 ホウ素欠乏も一部出ています。

関 花の首のところに縞状に出る。

小林 あれは非常に欠乏が強い時に出ますね。そうなると花がうな垂れてしまいます。そういった障害が出ると必ず根がやられています。要素が吸えない状態です。

関 これだけpHを改善するために石灰を投入すると、当然、ホウ素や他の微量要素欠乏が出やすくなりますよね。

小林 その通りです。それで、この球根専肥を使っているわけです。

関連記事

powered by weblio